隠しカップリングトーク・漫画編

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 隠しカップリングトーク第二回。今回は漫画編です。なのですが………
 なんというか、すごいことになってます。前回を遥かに上回るマイナーっぷり。
 はっきり言って、『誰もいねえ!』どころか『誰も知らねえ!』的なカップリングばかりになってしまっています。
 まあ、古い漫画が多いからねえ。漫画はゲームと違って昔っからカップリングできたもん。
 説明しないと誰もわからんカップリングばかりになっていると思いますが(しょーがないじゃん好きなんだもん)よろしければしばしお付き合いのほどを。
 今回のターゲットは、『ストーンバスター!』大神×佐野、『CHOKOビースト!』檀×京太、『かおす寒鰤屋』駆馬×大魚です。

『ストーンバスター!』大神×佐野

 七年くらい前にマガジンで連載してた漫画。作者不明……って単に名前覚えてないだけなんだけど。だってコミックス持ってないんだもん。絵見ればこの人ってわかるんだけど。
 さらに言うと攻であるところの大神くんの名前も覚えていません。だってみんな大神としか呼ばないんだもん(受であるところの佐野くんの名前は千春といいます)。
 それでホントにこの作品好きなのかぁ!? って声が聞こえてきそうですね。はい、好きなんです。同人誌買っちゃうくらい……(まだ持ってます)。
 ストーリーを説明しますと、持ち主となると特殊な力を発揮することができる『秘石』。主人公とその幼馴染の少年(同級生で主人公は劣等生、幼馴染は優等生、そんでさらにもう一人幼馴染の女の子がいてその子はガミガミ言いながらも主人公に惚れているというお約束のオンパレードのような設定)が秘石の中でも最強の力を持つ光と闇の金剛石を手に入れます。当然主人公が光で幼馴染が闇。そしてこれまた当然のように幼馴染は闇の力に魅入られ、主人公と幼馴染は愛と葛藤のバトルを繰り広げるという……まあありがちといえばすんげーありがちな話なんですが。
 実際それほど人気もなかったようで4巻で終了しています。それも打ち切り。話が途中のまま終わってしまった。後でコミックスの方でフォローはありましたが。
 でも自分はなぜか好きなんですよね、この作品。お約束が好きだっていうせいもあるんですが。絵も綺麗だったし、話も後半はわりと面白くなってきてた。もっともまだ覚えていられるのは、大神くんと佐野くんがいたせいだと思ってますが。
 その大神くんと佐野くん、主人公受が基本の自分にしてはめずらしく両方脇キャラです。
 佐野くんは主人公の後輩。最初はほとんどモブキャラですが、やがて彼を中心とした話が来て(後述)、翡翠の秘石を得て、植物を操る力を手に入れます。丸っこくってちびっちゃい、線目と舌っ足らずなしゃべりがチャームポイントの高校一年生。やらしーものを見た時に目が開くというむっつりスケベな面もあります。本気モードの時にも開くんですが。
 大神くんは最初は敵キャラ。主人公の幼馴染(以下闇くんと表記)の協力者として主人公を倒すべく現れます。秘石は月長石で、特殊能力は月齢によって得られる超生命力。いわゆる狼男ですね(ベタな名前……)。
 この二人がどういう風に知り合うかというと、大神くんの方が最初に佐野くんの命を狙うんです。もっとも甘さを捨てきれていないので(笑うところ)止めを刺すことはできないのですが。
 佐野くんはどうして命を狙うのか訊ねます。すると大神くんは、佐野くんの父親である代議士が、大神くんの住んでいた村をまだ人がいるのにむりやりダムに沈めたと言うんですね。そのせいで自分は家族を失った、その復讐の為だと。
 ショックを受けた素直な佐野くんは(父一人子一人の仲のいい親子だったんですが)、自らの手で父を告発することを決意し、その後でなら殺されても構わないから、それまで待ってくれと大神くんに言います。大神くんは承知するんですが、内心佐野くんの純粋さにちょっと心打たれたりしてるんですな。同人的視点から見れば、恋の芽生えです(笑うところ)。
 その後闇くんの手の者に佐野くんがさらわれて、殺っちまえと大神くんがそそのかされたり、佐野くんが秘石を手に入れたりいろいろあって父親を告発した佐野くんは大神くんの前に立つわけです。『約束通り、殺して下さい』って。
 当然これまで触れ合ってきてほだされまくってる大神くんは殺したりしません。家族の仇の息子ではなく、佐野千春という一人の人間ならば殺すいわれはないと言って、『やられたぜ……おめーにはよ……?』とマガジン的語尾付き台詞で決めます。
 はい、恋の成就です(違う)。
 その後はまあ、普通に先輩後輩兼仲間として付き合っていくんですが、その中でも結構ラブラブしてくれます。なんでも願いのかなう石の願いを佐野君が大神君に使ってくださいって言ったりコミックスの最終回で元敵のホモカップルとダブルデートしてたり。
 なんでこのカップリングが好きなのかって言ったら、やっぱり佐野くんの可愛さですね〜。自分は普段元気っ子受な奴なんですが、稀にかわいこちゃんタイプの受に猛烈にハマり込むことがあります。このカップリングはその典型ですね。
 ぽちゃぽちゃした丸っこいほっぺとか、『……ですぅ』というしゃべり方とか、他の男らしいキャラとは明らかに違う体型とか。植物を操るという癒し系の力とか大神君に対する尊敬っぷり、慕いっぷりとか。
 なんつーか普段はお茶目なんだけど芯の強い良妻、という感じがするのですよ。男を感じさせないというか、中性的なタイプなんで、大神くんとのツーショットはほとんど新婚夫婦の趣きです。子供作っててもおかしくない、みたいな。
 それでいてしっかり戦闘でも活躍している(一番未熟者なのに、わりと強い)。こういう地味目なんだけどしっかりもので役に立つ、というキャラははっきり言って自分の超好みな脇役です。線目も可愛いし。
 作者の名前も攻の名前も覚えてないカップリングですが、佐野くんという非常に好みなキャラがいるがゆえに自分の中では燦然と輝き続けることになるでしょう。

『CHOKOビースト!』檀×京太

 五、六年……いや、七、八年、あるいはもっと前にガンガンで連載されてた作品。作者は浅野りん先生。根強いファンがいる作品なので、あるいは知っている人がいるかもしれませんね。
 ストーリーは天狗に育てられた精神から生まれる獣を出すことができる(獣の大きさは猫〜4階建てビルくらいの範囲で自在)ちょーこという幼女が弥栄京太(主人公)の家で暮すことになり、そこからドタバタコメディが巻き起こる――というのがメインなんですが。
 個人的には、この作者さん絵はすごく好みなのにキャラ(特に主人公)がいちいち言うことキツかったり、性格曲がってたり(優等生である必要はないけれど人間的にどうよ? ってキャラが多くて)そうでなくても何か信用できない雰囲気が漂っていたり話自体『で、だからどうしたの?』と言いたくなる話が多かったりで苦手な部類に入るのですが、この作品だけは――というか、このカップリングだけは別なんです。
 そう、攻である東山檀! 彼がも〜好きで好きでたまらんのですよ。普段受キャラを好む自分としてはめずらしく攻キャラにハマりました。
 こいつがまーすんばらしく愉快な性格でー、言うなれば……『自虐妄想自分世界浸り少年』?
 なんというか非常に被害妄想が強くって自虐的なんですが、やることがいちいちギャグにしか見えないの。
 例をあげてみると、偶然目が合った人に目をそらされでもしようもんなら、『……目をそらした……? 俺の顔が見るに耐えないからなのか? ハハハハハッ! わかってたことじゃないか檀、お前はただ側にいる人にすら不快感を与えてしまう最低の人間なんだ、お前は一生人に嫌われて寂しい人生を送っていく運命なのさー! さあみんな笑ってくれよ愚かな俺をー!』といきなり立ちあがって大声で泣きながら笑い出してしまったりするのです。それを大勢の人の目の前で堂々とやっておきながら自分は内気で人に話しかけられない人間だと思ってる辺りが大笑い。確かに彼は親しくない人に話しかけるのには多大な労力を使うのですが。話しかけねばと焦るあまりストーカーのように相手をつけまわしてしまうんです。それで結局話しかけられない。
 そんな本人にしてみれば真剣でもはたで見てるとギャグなので誰も相手してくれないという状況下で、檀は京太と出会うわけです。
 京太は檀の妄想っぷりを見てもちろん変な奴、と引くんですがその時はただの行きずり(部活の練習試合の相手校チームの人間)なので気にもしないわけです。でも檀は京太の学校に転入してきます。実は檀は敵陣営というか、ちょーこの精神獣の能力に目をつける昔ちょーこの一族と袂をわかった一族の人間なんです。同じように精神獣使えるの(檀は使えません。それがまた自虐のネタになったりする)。
 それでちょーこを誘拐するために京太に近付け、と言われて渋々(他人の命令は断れない)京太に接触するのですが、その時ふいに優しくされて感動します。っつっても京太の方には全然そんな意識はなく、ほとんど勘違いみたいなもんなんですが、天使のような人だと思った檀は京太を『天使の君』と呼んで崇め奉るようになるんです。
 それでまあ、かなり想いは一方的ながらも友達付き合いが始まるわけですが、檀はちょーこを誘拐しようとしている一族の人間だということを隠しているので、罪悪感に苦しむわけです。『天使の君は俺を友達として扱ってくれているのに、俺は天使の君を騙している……檀、お前はなんて卑怯で汚い最低の人間なんだ、天使の君と友達でいる資格なんかないじゃないか! ハハハハハ、さあみんな笑ってくれよこの最低な俺をー!』とかね。自虐っぷり最高潮って感じですが、いつものことなので誰も気にしません。
 なんとか正直に告白しようとして空回ること数回。ある日檀は今日こそ告白するぞ! と意を決して京太に話しかけるのですが、その時ちょっとした行き違いから京太は檀がホモで、自分に好きだと告白しようとしているのだと勘違いします(わはは。っつか完全に勘違いとは言いたくない気持ちでいっぱい)。
 自分までホモ扱いされてはたまらん、と京太は檀から逃げて逃げて逃げまくるわけですが、檀も今日こそはと思いつめているのでストーカーのごとく追って追って追いまくります。
 結局京太は追いつかれるのですが、『告白されたって困るよ……俺、お前の気持ちに応えられねえよ……』と言って告白を封じようとします。
 京太から絶縁されること覚悟で告白しようと思っていた檀は、『俺と友達でいたいからそんなことを言ってくれるのかー!』と都合よく勘違いし、『俺達、ずっと友達だよね……?』『ああ……友達(ここ強調)だ』という言葉を交わします………。
 あああああ! おっもしれぇぇぇぇ!
 檀×京太はこのどこまでも続く擦れ違いっぷりがサイコーに楽しいのですよー! 主に原因は檀にあるんですが。
 檀がどんなに暴走しても檀としてはあくまで純粋に友達として京太を思っているつもりなのもいい。行動としては本当にほとんどホモのストーカーなのに。
 自分はねえ、檀がもう可愛くってならないのですよーv あの自虐妄想っぷりといい、京太をひたすら崇め奉るところといい。なんつーか健気で一途で可哀相で、優しくしてあげたくなってしまう。
 ビジュアルも可愛いんですよー、中性的で肌白そうな感じで。ちょっと長めに揃えた髪形もよく似合う。京太がいかにも男の子! って感じなんで、好対照なんですよねー。
 そんな可愛い檀がことあるごとに京太への想いに暴走しまくって、京太とまったく意思の疎通なく自己完結してるのを見てると、もー笑えてしょうがありません。ホントに檀が好きなのか? と聞かれそうですが自分は胸を張って大好きですと言えます。だって檀はそれでも幸せなんですもの。京太と友達でいられるだけでジーンと来てしまうくらい一途に京太を想っているんですもの。京太の幸せは自分的にどうでもいいので(おい)檀が幸せなのを見て自分は満足です。
 まあ原作でのキャラ設定を忠実に守るならこの二人ははたから見たらホモの片思いにしか見えなくても(一応)友達同士、というのが精一杯のところなのですが、妄想としては一回ぐらい檀にヤらせてあげたいなー。あんなに京太好き好きなんだもん、幸せになってもらいたい。
 そんでそれをきっかけに、京太がほだされて檀と恋人関係になること認めちゃったりしてさ。檀は慣れない幸せのあまり卒倒したりしそうですが。少しずつ二人の心が近付いていってさ。そんでいつかは二人の意思が通じ合うようになるの……うっとり。
 まあ檀×京太はすれ違いのお笑いが基本なんですが、妄想としては『いつかはラブラブな恋人同士! 檀を本当に幸せに!』を合言葉にしてシメさせていただきたいと思います。

『かおす寒鰤屋』駆馬×大魚

 これまだ知ってる人いたら凄い。十年以上前に、ジャンプで九回だけ連載された作品です。
 そう、九回なんですよ。十回じゃないの。打ち切り魔王のジャンプとしても、これは破格の短さです。『サスケ忍伝』も『アウターゾーン・第一部』も、みんな最低十回はやったのに(例が古くてすいません……自分昔はジャンプっ子だったんです……)。自分もこれ以外には、『画−ROW』まで見たことがありません。
 どういう話かといいますと……若き骨董品店店主倉本駆馬が、店に持ち込まれる(主に骨董品にまつわる)様々なトラブルを店に代々伝わる特殊な呪法や怪しげな古武術を使って解決していくという、かなり地味なお話で……こりゃジャンプでは打ち切られるかな、って感じなんですが……。
 でも自分は好きなんですよね、この作品。絵柄も地味ではあったけど、自分好みだったし。話の筋立ても別にすごく面白いというわけじゃないけど、しっかりしてたし。骨董品の知識も面白かったしね。
 そんな中で(当時はまだ同人に対する知識がほとんどなかったにも関わらず)うおおお! とぐっときてしまったのが駆馬×大魚というカップリングなんです。
 あらすじ紹介。ある朝、店を開けようと起き出した駆馬の鼻にいい匂いが漂ってきます。なんと自分の家の庭でキャンプをしてる少年がいる。
 彼の名前は水島大魚。高校生ながらも新進気鋭の陶芸家(まだ無名ですが)。二人の共通の知り合いの仏師に紹介されて、東京進出の為駆馬の家に下宿させてもらいに来たのだと言います。
 ところが駆馬はそんな話全然聞いてません。追い返そうとするのですが、『東京もんは悪魔んごたる! 田舎もんは騙くらかされて遊郭に売らるったい!(おい)』と泣き落とされて(大魚は九州出身)とりあえずその仏師に話を聞きにいくことにします。その間大魚は東京見物。
 会いに行った仏師が言うことには、『言ってなかったか?』。すっかり連絡を忘れていたようです。怒る駆馬に仏師はまあまあと大魚が何故東京に来ることになったかを説明します。
 大魚はまだ無名ながら天才的な腕を持つ陶芸家。そんじょそこらの鑑定家では見破れないほど完璧に高い骨董価値のある作品の贋作を作り出すことができます。
 それに目をつけたあるシンジケートが、大魚に(高給待遇での)贋作作りの仕事を持ちかけます。自分の作品を他人のものとして発表されることを嫌った大魚はそれを断るのですが、シンジケートは(大魚本人はかなりの武術の腕の持ち主で、そうそう手が出せないので)大魚の友人に危害を加えて脅しをかけてきたのです。
 周りを巻きこまないため、大魚は故郷を去ることを決断。トラブルに慣れている仏師に相談し、駆馬のところを紹介されたということなのですが……。
 その頃、東京見物を楽しむ大魚にシンジケートの魔の手が忍び寄ってきました。むろん抵抗する大魚ですが、薬をかがされ動けなくなったところをボコボコにされてしまいます。
 それでも大魚は『ひどいな……顔は、殴んないでよ……』と笑ってみせるのですが、それにかまわずシンジケートは大魚をそのまま誘拐しようとします。
 そこにかけつけたのが主人公駆馬。あっさりシンジケートの連中をぶちのめし、ボロボロの大魚をおんぶして家路につきます。
 『やっぱ……迷惑だよね……』と言う大魚に、『まあな』と。『だがビジネスなら考えてもいい』『ビジネス?』
 『家賃は3ヶ月につき焼き物ひとつ。門限は8時。家事分担、臨時店番、遅くなる時は連絡すること』。
 ……大魚はぎゅっと、おぶわれている駆馬の体を抱きしめている腕に力を入れます。『どした?』『ん……なんでもない……』大魚の目からは、涙が一筋零れ落ちるのでした……。
 ……どうすか、皆さん。これはカップリングにしてもおかしくないシチュエーションだと思いませんか!?
 大魚のビジュアルもねー、可愛いんですよ。肌が白そうで、ちょっと華奢な印象を受けてねー。見ようによっては女の子に見えちゃうくらい。
 しかも仲良くなるのが早い! 次回にはもうすっかり馴染んだ様子でおさんどんしてましたしねー。料理が得意ってポイント高いですよね。同棲時代か夫婦か? って感じでしたよ。
 普段どんなに好きな漫画でも自分からコミックスを買うようなことはない自分が、あちこちの本屋捜してコミックス買っちゃうくらい好きで、十年以上好きでい続けたので、このカップリング(のみならず、作品そのものにも)には自分は非常に思い入れがあります。誰も知らない作品だけど、いつか二次創作書きたいな。骨董品の知識仕入れて。

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