テニプリと自分

※テニプリ原作、それとS&Tが大好きで、それに対してケチをつけるなどまかりならぬ！　と思ってらっしゃる方はこの文章読んじゃダメです。あと、アニプリ否定派も。
　この警告を無視して(あるいは読まないで)この文章を読んで怒りの書き込みやメールを送られても、当方はいっさい相手にいたしません。

　今回(2002･1･16)、自分はテニプリ小説を新しく書き始めました。
　……いや〜まさか自分がテニプリ小説を書くことになろうとは。こんな巨大メジャージャンルにハマることになろうとは、自分の今までの経験からでは考えられません。
　……っつっても自分の書いてるのはテニプリという巨大ジャンルの中でおそらくもっとも需要のないであろうジャンル、S&T男主友情小説。そこらへん、とっても自分らしいですね(青学レギュラー同士がどうこうするわけでもなく女子キャラドリームでもなく男主友情だもんな……)。
　で、なんでここまで需要のないジャンルを書くことになったか、経緯を少々説明したいと思います。
　……実を申しますと、自分テニプリの原作ははっきりと否定派……というか、好きじゃありませんでした。最初にジャンプで読んだ時、なんてつまらん話だろうと思ってました、正直に申し上げますと(すいません……)。
　どこが苦手って、あの独特の間ですね。原作の間ってある種独特でしょ？　台詞のタイミングとか絵と絵の流れの間とか。あれがど〜しても受け入れられなくて。好きな方にはたまらんのでしょうが、自分には死ぬほどテンポが悪く感じられたのですよ。流れが止まって見えた。絵に動きが感じられないし。
　台詞回しも好きになれなかった。なんかどうも……受け入れられなくて。キャラの性格もなんかみんな性格悪そうな気がして(いや、今でもテニプリキャラって性格いい人少ないとは思ってますが)。好きになれなかった。
　だからアニメが始まった時も正直あんまり見る気になれなかったのですよ。ヒカ碁の前だから、せっかくだから見とくか、って感じでちょっと見ただけなんです。
　それが。なんとなく見ていて、ふと『……なんか、いい感じかも』とか思えちゃって。原作ではムカついてしょうがなかったリョーマがかっこよく見えちゃったりして。見ていくうちにストーリーも面白く感じられて。
　いつのまにか毎週水曜日夜七時はテレビの前にポジション取りするようになってました。今ではヒカ碁よりも面白く思えてしょうがありません(少なくともアニメでは)。
　多分原作のクセがアニメになってなくなったのが自分的によかったんでしょうね。わりと万人向けになってて、素直にストーリーに入りこめるようになってたし。テンポもいいし、迫力もあると思う。アニメとして面白いできになってると思います。
　今では大好きですね、テニプリ。普通のスポーツものとはまた違った、面白い作品だと思ってます。
　しかし、相変わらず原作は苦手です。アニメでテニプリを好きになって、これなら原作も面白く読めるかなと読んでみたところ拒否反応を起こすほど徹底的にダメでした。
　アニメで面白いと思ったところもそうなので、もう『自分は許斐先生とは絶対的に相性が悪いんだ』と思って諦めることにしました。
　テニプリのキャラで誰が好きかというと……作品全体に静かにハマっているのでこれ！　っていうキャラはいないんですが……。
　まず、リョーマ好きですね。最初は『なんちゅーかわいげのない主人公だ』とか思ってたんですが、話が進むにつれその意外なガキっぽさとかめちゃくちゃ負けず嫌いなところとかなんのかんの言いつつお子ちゃまなところとかがかいま見えて『けっこう可愛い奴じゃんこいつー！』とか思えるように。皆川さんの声もラブです。
　次に桃。素直にいい男だと思います。つか桃は自分の母のご贔屓キャラでして、母が言うには『仙道(by　SLUM　DUNK)タイプのキャラだ』なんだそうです。確かに言われてみればそうかも。
　あと不二も好きですねー。黒いところも好きですが、目を見開いた時の容赦ない強さとかを見せつけられると、『かっけー！』とか思っちゃいます。観月との試合なんかもう惚れ惚れ。『弟が……世話になったね』なんてうっとり。あとブラコン振りも好きです(兄弟を大切にする男は基本的に好き)。
　それと手塚部長。自分この人が話してるの見ると時々笑えてしょうがなくなることがあるんですが。多分中学三年生というステータスと顔と言動のギャップや、妙にまじめなところが笑いのツボにはまるんだと思います。
　……ですが、もしS＆Tが発売されなかったら自分はテニプリの小説を書こうなど思ってもみなかったでしょう。好きではありますが猛烈にハマっているわけではありませんし、テニプリの小説なんて山ほどあるんだから、いまさら自分が書いてもしょうがないとも思いますし(自分が基本的にマイナージャンルを書くことが多いのは二次創作が一定数あれば基本的に読み手で満足してしまうこの性質に原因があるような気がしてきました)。
　S＆T。ゲームとしてははっきり言ってクソゲーに属するゲームだと思います。
　システムはそれなりに優秀です。なんたってときメモと同じですから。最初はうざいミニゲームも、◎を意識して出せるようになってくるとけっこう楽しい。
　ですがそれ以外の部分がことごとくダメすぎます。まずグラフィックがダメ。遠近法なっちゃいませんし、彩色もちょっとおかしいし、試合時のゲームのグラフィックなんてSFCかと思うほど。
　シナリオもダサすぎ。ダサさが売り物になる作品ならいいんですが、生憎テニプリはそういう作品ではありません。テニプリ世界にベタなライバル話持ってこられても正直引くし、やるならやるでもっとうまいやり方があるだろうと。全国大会に向けての盛り上がりも今イチ弱いしね。他にもいろいろ納得のいかない点がある。
　台詞もちゃんと原作読んだのかと言いたくなるほど違和感がある。あからさまではないけど微妙にね。アニプリオンリーな自分がそう思うんですから原作読み込んでる方たちはもっと強くお思いになったでしょう。
　でも、自分はこのゲームわりと好きです。マイキャラが青学レギュラー陣と共に練習できるというのは素直に楽しいし(シナリオがもっとちゃんとしてればもっと楽しかったんですけど)、マイキャラに青学のあの悪人どもがメロメロになっていくさまは思わず笑みがこぼれます。
　そして猛烈にオリジナル的創作意欲をそそられました。自らの作り出したマイキャラの手によって、テニプリのストーリーに介入することができる。
　なぜ男主なのかという理由もそこにあります。女主では一緒に練習してはいるけれどあくまでお客さんどまり。自分はマイキャラに青学レギュラーと一緒に同じ目的のために戦友として戦ってほしいのです。同じ立場に立って、同じものを見てほしい。それに男主だったら原作のいろんな試合なんかにも一緒に参加できますし(自分のオリジナルみたいなもんだと思って勘弁して下さいよ)。
　それと、あのクセのあるやつしかいない青学’ｓの中に、まったくクセのない素直なキャラを放りこんでみたらどうなんだろ？　という興味が湧いたということもあります。自分のいうことに素直に一喜一憂する後輩or同級生。だけどテニスの腕は認めている。そういうテニプリにいないキャラと向き合った時、青学’ｓはどう出るか？　見てみたくなりました。
　まあ、山ほどあるテニプリ二次創作、たまにはこんなのがあってもいいでしょう。我がサイトでも二、三を争うほど(一は争えない。曲がりなりにもテニプリということで)需要のないジャンル。のんびり更新していくことにします(まだ続くのですよ)。

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