ローションプレイ

「あっああっ」
 八戒が烏哭の腕の中で甘く喘ぐ。ホテルの照明はたいして明るさを落としていない。何度も八戒がリモコンで暗くしようとしたのに、烏哭がさえぎったのだ。
「ああ、べったべただね」
 精液が、八戒の腹部をしとどに濡らしている。
「んっ……」
 肌を染めて、上体を反らして喘ぐ八戒は美しい。
「わかった。お風呂、作ってくるね。待ってて」
 優しく烏哭は八戒の頭を撫でた。つやのある黒い髪が年かさの男の大きな手で愛撫されている。かわいくてならない、そういう所作だ。
「あ……」
 八戒は陶然とした表情を浮かべている。かわいいくせに淫らだ。
「待ってて。ボク、お湯を入れてくるからね♪ 」
 バスロープを素早くはおって、烏哭は浴室へと消えた。てきぱきとしたその動きは、八戒とは対照的だ。
「ん……」
 もう、何時間も続けて抱かれていた。痺れたようになってしまって身体が動かない。ひとまわり以上も年上の恋人が施した愛技は濃厚すぎた。生易しいものではなかった。
「はぁっ」
 息を荒く吐くと、八戒は震える脚で、ベッドの傍に脱いだスリッパを履こうとした。パイル地の使い捨てのそれは、足指をくぐらせようとすると巧妙に逃げた。
「う……」
 なんとか、足へそれを絡めるようにして履いて歩く。喉がひどく渇いていた。ベッドから離れたサイドボードの上には、水差しが置いてある。ひとくち飲みたかった。
「ん……」
 コップへ伸ばす手も震えた。何度も烏哭に犯されていた。淫らに貫かれて抱かれて、芯から消耗しきっていた。
「あ……」
 わななく手で、コップを手に取ろうとして、目測を誤った。

 よろけた。

 八戒の手は思わず、すぐ傍に置かれた自動販売機のボタンのひとつを誤って押していた。淫らな玩具を販売している妖しいヤツだ。

 そのとき、
 
 折悪しく、黒髪の男が浴室のドアを開けて部屋に入ってきた。

「八戒ちゃん。待たせてゴメンネ。お風呂すぐできるからボクと入ろうね♪ 」
 卑猥な自販機の、ボタンが押される音を、世間知の豊かな年上の男が聞き逃すはずはなかった。如才なく聞き取ってメガネの奥の目を光らせる。
「あれ、八戒ちゃんってば」
 小さな小さなボックスを集めて重ねたような自販機だった。そのひとつひとつに卑猥な道具が入っている。
「……えーと」
 八戒があわてて隠そうとするのも間に合わない。もとより自動清算制なので、一度開けたものは自動的に烏哭のカードの支払いになってしまう。
 ピンクロータや極うすのスキンなどに混じって八戒が開けてしまったのは。

 ローションだった。

 それも、いやらしい目的のために使う、ラブローションの類だ。




「うっれしいなァ。八戒ちゃんがそんなにボクとローションプレイがしたいなんてェ」
 烏哭がうきうきした調子で、浴室のドアを開けた。八戒の肩を抱いて、かかえるようにしている。
「ち、違います。これは間違って」
「んーもう素直じゃないんだからァ。言い出せなくって買っちゃうなんてェ。もうキミってば、かっわいい。めちゃくちゃ愛してるよ」
 浴室の手前、洗面台があるところで、かろうじて羽織っていたバスローブを脱がされる。足で裾を踏んで落とすようにされた。それもそのはず、烏哭は腕に八戒を逃がさないとばかりに抱え、そして片手にかわいい恋人がうっかり買ってしまったビン入りのローションを持っていた。それなのにメガネも器用に外し、八戒のも自分のも洗面台になんとか置いた。神業だ。慣れすぎてる。
「はぁい。もうじたばたしない☆ 」
 浴室のドアが烏哭の手で軽快に開けられた。ちょうど風呂は湯を溜め終わったところと見え、タイマーも止まっている。大きめの円形の浴槽にはなみなみとお湯が注がれていた。
「よかったァ。ちょうどマットがあって」
 銀色の浴室マットが傍に立てかけてあった。烏哭が泊まることにしたこのホテルは割合高級なところとらしい。清潔なつくりだ。
「はぁい。マット敷きますねーお客さん♪ 」
「烏、烏哭さんっ」
 もう八戒は蒼白だ。これから何がはじまるのか見当もつかない。いや多少はつくが想像したくなかった。
「んー。たいていこれだけじゃ、滑ってあぶないもんだよねェ。いつもどうしてる? 八戒ちゃん」
 初心な八戒にふざけたことを聞く。経験がないことなど百も承知なのにだ。いやいや、万が一、他の男とこんなプレイをしたことがあるなどと、うっかり漏らすのを待ち構えて何食わぬ顔で誘導尋問している。情事に長けた年上の男。とにかく食えない男だ。
「あ、ホントにしたことない? ボクとヤルのがハジメて? うれしーなァ」
 いつの間にか、ちゃっかりバスタオルを持ち出していた烏哭が浴室マットの上に敷いた。経験豊富すぎて何を考えているのか、若い八戒などにはちっともわからない。
「ほらァ、さっきセーエキ出しすぎてべたべたになったキミのお腹……ボクがじっくり洗ってあげるネ」
 烏哭の知的な、しかし淫猥な目つきで見つめられる。いつもと違ってメガネをつけてない素顔のそんな顔つきも理知的で端正だ。
「烏……」
 否とは、もう言えなかった。

 強引に、そのままマットの上へ横たえられた。
「八戒ちゃん……」
 ぬる、と洗面器に溶いたローションを塗りつけられる。
「あっっ」
 乳首に垂らされたそれは、つっと肌の上を逃げるようにして伸びた。ローションで滑って烏哭の手もうまく触れないらしい。そのかわり、
「あああっああっ」
 狂うほどの、性的な快感が肌の上を走りぬけた。
 もう、性感帯でなくても、どこを触られても気持ち良かった。ローションに塗れた烏哭の手が這うたびに八戒が身体を震わせて喘ぐ。もう、とうに喉は枯れている。なまめかしい声になった。
「あっあっ」
 上半身にローションを垂らされた。大量に塗りつけられる。
「あっ。これ、本当に気持ちイイねェ」
 烏哭がローション塗れになった八戒の身体の上に、みずからの肌を重ねた。ぬるっととたんに滑って惑乱するような感触を伝えてくる。
「イイ……すっごいぬるぬる」
「はぁあっ」
 身体を重ねて、ひたすら肌を上下に擦り合わせるようにして動いた。それだけで痺れるほど気持ちいい。
「ああ、キミの身体、すっごく気持ちイイよ」
「烏……こ……く」
 息も絶え絶えという調子で身体の下で八戒が喘ぐ。身体の上に垂らされたローションを烏哭が身体を張って伸ばすようなイヤラシイ行為をしつこく繰り返す。
「あっあっあっ」
 すっかりとがった胸の乳首と乳首がローション塗れでぬるぬると擦れあって、八戒が悶絶する。その淫らな感触がたまらない。緑の瞳に涙が浮いた。
「ああ、気持ちイイねェ。八戒ちゃん……」
 烏哭が洗面器のローションを手にとった。そのまま、八戒の下肢へと這わせる。
「…………! 」
 八戒の絶叫が浴室に響いた。
「さすがに、キミってば若いなァ。元気だよねェ」
「はぁ、あ、あっああっ」
 ローション塗れの手を、ふとももの、内股に這わせられる。全身が痙攣した。
「まだ、あそことかあそこは触ってないのに……もうコンナ? 」
「くぅっ」
 びくびくと敏感な肌が震えている。ふとももの内側がもの欲しそうに震えている。上半身だけでもイッてしまうのに、下半身など愛撫されて……気が狂ってしまうほどの性感に襲われていた。
「ああっああっ」
 執拗に烏哭の手が八戒の太ももに這う。撫で愛すようにして愛撫した。じっくりと手を這わせ、耳元へ囁く。
「すっごく……キミのイキ顔って素敵だよ」
 マットの上に敷きこんだ淫らな身体は、もう何回目ともわからぬ体液を吐き出していた。
「ああ、ボクもう、自分はイカなくていいからキミのイク顔だけ、じっと1日中眺めていたいなァ」
「んんっ」 
 耳元に低音で淫らごとをささやかれる。いやらしい手が、尻孔をかすめるように這ってきて、八戒がびくびくと腰をグラインドさせた。
「アレェ。すっごくいやらしい……お尻の動きだねェ」
「ああ……」
 ぬるぬるとしたローションが、後の孔にまで垂れ落ちてゆく。思わず八戒が奥歯を噛み締めた。
「もう欲しいんだ? まだダメだよ」
 両の尻肉をいやらしい手つきで揉みしだいた。八戒の眉がきつく寄せられ悩ましい表情になる。ぬるっとした感触に叫びそうになっている。衝撃的な快美感だった。こんな快楽があるとは今まで知らなかったらしい。
「キミがイクときの顔、ボク大好き。キミの綺麗な眉、みとれちゃうよね。眉目秀麗ってキミみたいなのを言うんだろうなっていつも思ってるんだけど……その眉が苦しそうに寄せられてサ、おまけにお口から涎までたらして……目なんか潤んじゃって、ほっぺも真っ赤になっちゃって……イクときのキミすっごくいやらしくて……かわいいよ」
 烏哭の指が、尻孔を突く。八戒の身体が若鮎のように跳ねた。その入り口の微細な襞のひとつひとつにローションを塗りこめるように淫猥な動きで愛撫している。
「ああっああっああっ」
 八戒の内股がひくひくと痙攣する。びくびくと粘膜もうねった。前は当然、勃ちあがり、弾力のある肉がふるふると震え、烏哭の眼前で小さな鈴口から透明な涙を流している。
「う……こ……く」
 哀願を含んだ声音で、麗人が喘ぐ。
「おねが……い……おねが」
 もう、理性を手放した八戒が哀れっぽい調子で懇願している。烏哭の手をとり、自分の痛いほどに勃ちあがったそれへと導こうとする。まともなときなら赤面もののいやらしい仕草だ。男に自分の性器を触ってしごいて欲しい。しかもそれを全身でおねだりしている。
「分かったよ」
 烏哭が笑みで口元を歪めた。愉しくてならないといった表情だ。メガネをかけてない、その素顔に、知的というよりも性的な大人の男の魅力が香る。
「触ってあげる」
 烏哭は微笑むと、八戒の屹立へローションを垂らした。とろ、と粘性のある液体が口を開けている鈴口や、亀頭を濡らし、棹を伝ってゆく。
「あ……」
 頭の中が真っ白になってゆく感覚に、八戒は痺れたようになった。
「それじゃボクも」
 そしてその後、烏哭がしてきた行為は淫らすぎた。
 八戒の痴態を眺めて、痛いほど硬くなった自分の怒張を、八戒の可憐な性器へすりつけて一緒に握りこんだ。
「ああっああああああっ」
 八戒が淫靡すぎる感覚に目を剥いた。ローション塗れになった二本の怒張。それが亀頭と亀頭で擦れ合わされ、裏筋もぴったりとくっつけられてしごかれる。どちらが吐き出したとも知れぬ大量のカウパー腺液が透明な糸を鈴口と亀頭の間で引いている。眩暈がするほど淫らだった。
「う……こ」
「いいよ。キミの。もうこうやってくっついてる感触だけでイケちゃいそう」
 確かにそうだった。ローション塗れになって、ぬるぬるとすべる二本の棒は、触れ合うだけで惑乱する感覚を性器から伝えてくる。ぞくぞくする快美感が腰奥まで伝わり、背筋を這って痺れさせてゆく。
「触って……八戒ちゃん。いつもキミ、ひとりでオナニーするときはどうしてるの。……キミがどうやってヤるのかボク知りたいよ」
 破廉恥な言葉をささやくが、無駄だった。もう痺れたようになってしまっている八戒は、ひたすら身体を震わせているだけだった。烏哭の与えてくる性技が凄まじ過ぎて、もう動けないらしい。
「ああ、キミがひとりでヤってるところ。見たいのになァ。しょうがない。……また今度ね」
「あっ……あっ」
 烏哭の手のうごきが早くなる。もう耐えられなかった。
「あああっああっああっ」
 びくんびくんと八戒の腰が震える。そしてそのまま、
「あーっああーーっあっあ」
 烏哭の手と性器の感触に追い上げられるようにして、八戒は達した。
「……すっごい。やらしい顔だよね。ああ、もうぐしゃぐしゃ」
 烏哭が舌なめずりするような声を出した。身体の下に横たえさせた、恋人の顔を覗き込む。八戒は泣いていた。眉を寄せ喘ぐようにしながら達していた。もう何かが限界なのだろう。綺麗な緑の両目から涙を流している。頬を伝いまなじりを伝い淫猥な浴室マットの上へ落ちた。確かに烏哭の指摘するとおり、つややかな黒髪も、何もかも乱れて涙でぐしゃぐしゃだ。
「あうっ」
 びん、と烏哭の硬いものが当たる感触が、八戒の粘膜に伝わってくる。肉の環へめり込むように、烏哭のが擦り付けられた。そこもローションに塗れ、うっかりすると滑ってしまう。まるで亀頭で愛撫されるような性行為に、八戒が歯を食いしばった。ただでさえ、つるつるした亀頭が、ローションの助けでぬるぬると襞を擦り上げてくる。
「だっめだ。もうボクのガチガチ。痛いくらいになっちゃった」
 烏哭が身体を屈める。前が重くてまっすぐに身体を保てない。これ以上ないくらいの凶暴さをそれは持っていた。
「キミのかわいい顔とか見てたら……ああ、もうボク限界かもホラ」
 ホラ、のところで烏哭は腰をまわした。ぐり、と先端の肉冠が八戒の肉の環にめりこむ。
「ああっあああっあああっ」
 腰を挿し入れられると、内股に烏哭の体側が触れる。それもローションで滑ってとろとろだ。それすらもひどく気持ちイイ。
「ああ、もっとキミのイキ顔、拝みたかったのになァ」
 諦めたように、口を歪ませて自嘲すると、烏哭は八戒の片足を抱えあげた。
「おっと」
 それもローションに塗れているので、滑る。烏哭の手も身体も、性器も何もかもローションでぬるぬるで、身体の下に敷きこんだ、凶悪に色っぽい恋人の全身もローション塗れだった。

 行為のすべてがぬるぬるだ。

「あうっあうっ」
 穿つために、八戒の身体を捉えて抱こうとすると、捉えるためだけの動きだけで感じてしまうらしい。仰け反って痙攣している。ローションが肌と肌の間で温まり、ぬるぬると蕩けそうな性感を与えてくる。
「ああっああっ」
 腰が震えて妖しく蠢いている。もう、何度も挿入抜きでナカもイッてしまっているのだろう。
「はっか……ちゃん」
 唇を寄せるその何もかもがローションに塗れている。キスも愛撫も何もかもぬるぬるだ。それをなんとか耐えて滑る身体を押さえつけた。
「あっあっ」
 八戒の痙攣と弛緩の間隔がだんだんと短くなってきている。俗にいう 「イキっぱなし」 という状態になった。まだ、挿入もしていないのに。
「あああああぅっ」
 くり、とローションでとろとろの指で、肌で八戒の震える乳首を摘んだ。強烈な感覚に震える身体を捉え、烏哭が逃さないとばかりに深く身体を突き入れてきた。
「ああっああっあああ! 」
「……挿れただけで。イッちゃった? えっちなコだなァ」
 口元に淫猥な笑みを刷き、烏哭が腰をグラインドさせる。深く浅く尻をまわして穿った。何もかもローション塗れだった。八戒の胸に這わせた手を蠢かせる。烏哭の手が淫らに肌の上を這い回った。ローション塗れなので、つっとかすめたかと思うと滑り、ぬるぬるしている。そのとろける感触が良くてしょうがないらしい。
「ああっ……あっ……ん」
 思わず、きゅうとナカの烏哭を粘膜で締め付けると、悪いコだとばかりに突き上げられた。
「あっああっあっ」
 段々とローションに白濁液が混じり始めている。もともと、八戒の腹部は吐き出した体液でどろどろだった。それなのに際限のないセックスで強制的にイカされ続けているのだ。
「も……も……っ」
 もう、そろそろ正気が保てない。白い狂気に似た快楽で脳が染め上げられ、真っ白になってゆく。
「や……や」
 腰を抱えて穿ちながら、烏哭がしなやかな脚へキスをひとつおとした。そのまま舌先で舐める。なにもかもローションでぬらぬらと光っている。
「ああっ」
 烏哭が達しそうになったのだろう。唇を噛み締め、動きを止めて尻を抱えなおした。少し角度をかえると、射精感をやり過ごすことができる。それを狙っての行動だったが、
「う……こ」
 震える、なまめかしい腕が、下から伸ばされてきた。そして、
「…………っ」
 八戒の白く長い指が、烏哭の胸へ這った。まるで自分にしたことへのお返しだというように、烏哭の胸のとがりをそっと摘まんできた。ローション塗れでぬるぬると滑りながら蕩けるような感触を伝えてくる。
「はっか……」
 烏哭が珍しく奥歯を噛み締めた。息を止める。
「キミほどじゃないけど……ボクもそこ、気持ちイイよ……あ、だめ……だめだよ」
 蕩けきった陶然とした面持ちで八戒は穿たれている。自分を犯す男の身体に、そのしなやかな指をなまめかしく這わせてきた。無意識の行動だ。いやらしい。
「く……! 」
 つっ、と八戒の指が烏哭の胸を肌を腹を這った。びくんびくんと烏哭の怒張が、肉筒のなかでひときわ跳ねる。限界だ。雁首が膨らんで笠がぴんとこれ以上ないくらい張った。
「だぁめ。だめだよ八戒ちゃ……」
 身体を前傾して、その悪戯な腕を押さえつけようと、両手首でひとまとめにし、犯すように深く穿った。
 そのとき、
「す……き」
 とろとろに蕩けた緑の瞳が、下から烏哭を見つめ、何事かを囁いている。痺れたようになっている腰と、噴出する先を求めて咆哮しそうなのを抑えつけている最中だったが烏哭はうっかりとそれへ耳を傾けた。
「う……こ……す……き」
 好き。
 誰に向かって言っているのかは明らかだった。情事のときだけ、素直に明かされる八戒の本心だ。
いつも皮肉な調子の、知的な烏哭の漆黒の目に戸惑いが浮かんだ。次の瞬間、明らかな喜色を浮かべる。
「…………くっ」
 限界だった。反則だった。耐えることもできなくなった快美感が強烈に膨らみ、何もかも弾けさせてゆく。幸福すぎた。
「は……っ……ちゃ……」
 囁く余裕も消し飛んだ。ひたすら、艶かしい粘膜に、精液を注ぎ込む。亀頭を奥へ奥へと本能のままに差し入れ、擦り付けた。敏感な粘膜を白濁液とカリ首で愛撫するように舐めまわす。
「あ……あああ」
 何度も擦り付けられる淫らな感触に、八戒の抱えられた両脚が痙攣する。爪の先まで快感で反った。
「大好き……ボクの方こそ……大好きだよ八戒ちゃん……」
 ローション塗れでぐったりした、身体を優しく抱きしめる。烏哭の口元は幸福そうに緩んでいた。
「ありがとう」
 烏哭のその言葉に応えるように、八戒の腕が伸ばされる。
 達しすぎて、脳も身体も性器も孔も粘膜も……もうなにもかもが麻痺している八戒が、震える手を烏哭の背へまわしてしがみついてきた。
 端麗な唇が僕も、とかたちを綴る。もう、八戒に意識はほとんどない。






 
やっぱり続いちゃう。