テニプリゲーマイワールド概括

 基本更新が終了した作品の話を蒸し返すようで恐縮ですが、すいませんちょっとマイテニプリ世界について語らせてください。妄想が無駄に増えてきてしまったもので。
 自分のテニプリ世界の基本はゲームです。あそこからキャラを立てて、世界を構築してます。
 で、そのゲームはS&T(と2とR&D)が基本なわけですが、他のゲームはまるで無視なのか、というと決してそういうわけではないのです。自分なりに他のゲームに対してもいろいろと考えるところはあります。
 というかですね、他のゲームをプレイしたりしてるうちに、自分の中に自然と設定が組み上がっちゃったんですよ! 他のゲームの自分の小説世界内での位置づけが!
 妄想が自然と暴走して、キャラづけとか勝手にしちゃったりして、お相手はああでこうで――とか無駄に考えちゃったりしたんで、今後テニプリゲー小説を書くことがあったと してもこのキャラたちが出てくる気はあんまりしないのですが、無駄にしっかりできてしまった妄想を放置しておくのももったいない……というか、自分だったら他の人のそういうの読むの好きなので、超久々なトークのページ更新に利用しようと。お暇な方、ちょっと気が向いた方、手慰みにでも読んでいただけると幸いです。
 ……本当無駄に長い上に無駄に妄想爆発させてますので(そしてこの手の妄想のセオリー通りに自分勝手なことをああだこうだ抜かしておりますので)、他の人間の妄想を読むのが好きとか、海のように心が広いとかいう方以外はお読みにならない方がいいんじゃないかな〜、と思うのですが、そこらへんはまぁ自己責任で。そこらへんを無視してこの先を読んで、文句をつけられた場合自分は基本完全に黙殺しますのでそこのところもご了承くださいませ。
 あと、隠してある文章は当サイトの隠しページに入ったことのない方は基本閲覧禁止とさせていただきます。これも前項同様、好奇心につられて読んでみて、文句をつけられても自分は基本完全黙殺を貫きますので、ご承知おきの上お読みください。


『学園祭の王子様』

主人公ステータス

学力   250   料理   250   魅力   350
芸術   250   流行   200   運動   75
気配り   350

設定

 隼人たちが一年の時の全国大会終了時、跡部様が選手たちを集めて一日だけ祭を行った(劇場版テニプリのおまけのテニプリ祭みたいな感じで)。その際近来のテニスの強い学校の中の有志に声をかけて手伝わせた(途中で負けたりしてちょっと暇な奴らも手伝ったり)。当然跡部さまは委員長として八面六臂の活躍をしたので、ゲームとはだいぶ違うが学園祭っぽい感じの経験をテニプリキャラほぼ全員共有している。
 広瀬静は聖ルドルフの二年。裕太と同じクラス。それ以前からお互い別に意識というほどではないがちょっといいかも、みたいな相手ではあったのだが、祭で一緒に苦楽を共にしてゲーム内にあったようなイベントをこなしているうちにわりと特別に意識するようになり、だが当然二週間やそこらでおつきあいというわけにはいかず、それから半年時間をかけて少しずつ距離を縮めていき、三年に上がる時に裕太から告白。正式に彼氏彼女の関係になる。

主人公の属性

 地味に完璧超人。勉強がわりとできて真面目でよく気がついて優しくて可愛くて運動はちょっぴり苦手、という昔の少女マンガのヒロインのごとき乙女的隙のなさを誇る。ちなみに家はわりといいところのお家。
 なので男子人気は相当なレベル。ちょっとした動作まで女の子らしい、と男心をそそることができる女。同学年の男子が集まって女子の話をすると「広瀬、かなりいいよなー」と必ず話題に出るくらい。
 そして女子人気のなさも相当なレベル。「男に媚びてる」「男と話す時だけ態度が違う」とほぼ総スカンを食っている(ゲーム内で話題に出た女友達というのもお弁当を一緒に食べたりはするけど静が席を外すと即『あの子マジウザくない?』と言い出すぐらいの相手)。そしてそういうところがまた『俺が守ってあげなければ!』と男子人気をかきたてたりする(そんなわけで裕太と静がつきあい始めた時学校の男連中にはこのやろ! このやろ! とやっかみ混じりの一撃をびしばし喰らった(裕太が男に嫌われにくい質だったので一応祝福されてはいるのだが))。女子意見はひがみも大きいが実際そういう面もないわけじゃない。
 隼人たちからの視点だと『裕太さんの彼女』という感じ。基本的に祭の中でちょっとしか接触時間がなかったので。ただしテニス部関係者で彼女がいるという存在がレアなため、わりと有名な感じではある。
 騎一は裕太とわりと仲がいいので静の情報はわりとよく知っているが、当然(『知っている人の彼女』というくくりなので)話したことはほとんどない。巴は女子好きなのできっちりメアドを交換しており、たまにメールする。

こういう設定にした理由

 まず静はそれなりにいいところのお嬢様だと思ったんです。携帯の番号のあれこれとかから。なので聖ルドルフか氷帝かの生徒が似合うと思ったんですが、氷帝ほどぶっとんでない感じなので……それになにより静は裕太相手の時が個人的に一番好みだったのでルドルフに。
 静って二年生相手の時が一番可愛いな、と思ったんですよ。先輩の時ほどかっちり優等生してなくて、適度に隙ができる感じが。一年相手だとお姉さんっぽさが強すぎて中学生らしさがちょっと。
 それとですね、ゲーム内での言動を見るにつけ……『こいつ女子から嫌われてそー……』という思いが強くなってきてしまったんですよ。静って実際隙がない可愛さを持ってるじゃないですか? いちいち優等生らしすぎるっていうか。どんな問題も男のやんちゃも女の子らしく可愛らしく男を立てつつ一歩後ろから的確にサポートする形で解決してしまう。そこまでの見事なテクニックを見せつけられては、もはや静は男たちがどんなに暴れても掌のうちというすさまじく女として強い女、というイメージにならざるをえず。
 しかもそれを天然でできる(がゆえに女子たちのひがみは言いがかりにしか感じられず、じっと耐えるしかできず、そこがさらに男心をかきたてるという完璧さ)、まさに男心マスターというイメージが静さんにはあります。そして自分ではそれを全然特別なことだと思っていないので、男子からはさらにモテる、と。
 まぁそういうタイプなので、テニス部男子からは可愛いとは思われてるでしょうけれども、基本的にあんまり自分たちと関係のある女子だとは思われてない感じです。ほとんどのテニス部男子=テニスバカたちは男女交際に夢も見るでしょうけれどもなによりとりあえずテニスな連中なので、静の方からアプローチしていかないと反応がないんですよね。女の子と仲良くなるの大好きな巴は積極的に関わっていって仲良くしてますが。
 まぁ、そんなわけで天然でアプローチした裕太とゆっくり交流を深めていきくっついて、自分の世界の中では二人はテニス部男子の中ではレアなラブラブカップルとして幸せに生きていくのでした。いや、マジでここまで普通にラブラブなカップルってテニス部男子の中ではほとんどありえないので、裕太はルドルフの先輩とかにはやっかみ混じりにかなりいじめられていると思いますが……まぁ幸せ税ってことで。
 ちなみに学園祭周りの設定をいじったのは……普通に考えてもうすぐ全国大会だってのにテニスには真摯な跡部さまが他の学校まで巻き込んであんなことはしないだろう、と思いましたので。これからもテニプリゲーにおいては跡部さまは便利に使い回されまくりますが……せめて自分の考えの中では最低限のキャラ保持はしたいなー、と。


『ドキドキサバイバル』

主人公ステータス

小日向つぐみ

学力 300   料理   250   魅力   350
芸術 250   流行   200   運動   50
気配り  200

辻本彩夏

学力   160   料理   230   魅力   300
芸術   50    流行   220   運動   320
気配り   320

設定

 Jr.選抜後、世界大会に向け跡部様&榊コーチの提案で特別に選出した選手たちを南の島での特訓に招待することになった。ドキサバ選手群に四天宝寺の白石謙也財前金太郎千歳とS&T主人公ズ、さらにはミクスド要員女子ズを加えた面々がそれに招待された。つぐみと彩夏はゲーム内同様そこに偶然乗り合わせた(試験休み)。
 そしてゲーム内同様遭難する……のだがそれはコーチ群の画策とかではなくガチで遭難してしまったのだった。全員がたどりついたのは連絡設備の壊れた施設のある無人島。そこでなんとか救援が来るまで生き延びなくては死ぬ、というハードな状況下だったので、一同の結束は全開で強まった(亀裂を深めた奴らもいたが)。
 なのでぶっちゃけ恋だのなんだの言ってられる状況下ではなかったのだが(サバイバルには赤月'sが、料理には騎一が大活躍した。ちなみに隼人と騎一は山、巴と那美は海(サバイバル技術の高い二人を分けて(海には海に親しい六角ズや比嘉ズもいるのでより技術が高い方を山に)、料理のできる二人も分けて、巴が寂しくないようにということで那美も海に。当然手塚部長が決めた組み合わせなので那美と海堂とのあれこれはまったく意識されていない)。他の女子たちはみんな同じ学校の男がいる方。鳥取さんは跡部がいる海に)、それでも吊り橋効果も手伝って好感度は普通よりガンガン上がり、ゲーム通り五日後に救助が来た際には(全員助かった! と涙して喜んだという)つぐみは橘といいムードに、彩夏は剣太郎とわりといい感じになっていた。
 もちろん橘さんは五日やそこらで告白するような節操のないことはせず、別れる時には「また連絡してもいいか?」ぐらいで。そこからゆっくりゆっくり絆を深めていって、つぐみが高校生になった時にきちんと告白しておつきあいを。彩夏は別れる時に(たった五日の仲にもかかわらず)剣太郎に告白されてしまったので、とりあえず友達から始める、ということになり一年かけて正式に彼氏彼女に。
 隼人たちからの視点だと、『昔の仲間』という感じ。それこそ生死を共にした仲なので、普通より印象は強い。巴はわりとよくメールしたり電話したりしている。時間が合った時には会ってお喋りしたり遊んだりもする。
 あと、彩夏は謙也ともかなり仲良くしていたが、剣太郎に先に告白されたし、別になにか言われたわけでもないし……とフェイドアウトに。謙也の気持ちとしてもさほどはっきりしたものだったわけでもないのだが、ほのかに失恋気分を味わうことになった。

主人公の属性

つぐみの属性

 静とわりと似ているが、それに儚げ属性をプラス。そういうのが好きな男を惹きつけると同時に、気の強い面倒見のいい女の子たちに『放っておけない』と思わせることに成功した。なので女子の友達も多い。むしろ男子の友達はかなり少ない方(男子の方が壊れちゃいそうだと接するのに気後れしてしまう)。それでも一部には強力なシンパを持っており、抜け駆けしないよう協定を結んでいたりもしたので、橘さんとつぐみが親しくしていることを知った時には暗躍があったりしたのだが、橘さんの一睨みですごすご退散した。
 隼人たちの視点からすると昔の仲間であると同時に気を遣わないとならない相手、というイメージがあるので(父親が行方不明だったということもあり)、やはり接するのに気後れしがち(巴はそんなことはまったく気にしていないが)。
 なので橘とつぐみがつきあっているということを聞いた時には死ぬほど驚いた。ええええマジで!? ってくらい。でも橘さんならあの人幸せにできそうだよな……と納得もし、こっそり祝福を。巴は真正面からおめでとう! とケーキを焼いて持っていき、つぐみに恥じらいながらも感謝され、橘さんには本当にまったく意識されてなかったんだな、とちょっと苦笑された(別に残念というわけではないが、巴のテニスに惹かれるものを感じていたのは確かなので)。

彩夏の設定

 元気で脳天気でおバカ、ただしいざという時あなどれない。その脳天ピーカンっぷりはたいていの相手の警戒心を削ぐため、男女共に友達は多い。ただし異性として意識されることはあんまりない。でも意外なところに可愛さを持っていたりする、コアなタイプ。学校では地味にあちらこちらの男に好かれていて、でもこんな女好きになるのは俺ぐらいだろうな……とかも思われていたので剣太郎とつきあっていることが知られた時は方々で泣く男がいた(自覚なしに好きだったので自分がなぜショックを受けているのかわからない……みたいな奴も)。
 隼人たちの視点からすると昔の仲間であると同時に楽しいお姉さん(一年先輩なので)という感じ。つぐみに会いにしょっちゅう山組の宿舎を訪れたので、隼人たちもよく覚えている。謙也とのボケツッコミをはじめ、いろんな相手と絡んで笑っていた印象が強い。
 なので剣太郎とつきあっていると聞いた時は、つぐみとは逆の意味でええ……? とか思ってしまった。彩夏さんだったらもっといい人いるんじゃね……? とかなんでよりによって剣太郎……みたいな。でもそんなことはまるで気にせず二人が仲良くしているので、口には出せないけれども。巴はやっぱりケーキを持っていき、二人に大感謝された(ちなみに剣太郎は(もちろん巴のテニスに惹かれるところはあったのだが)この時にはもう彩夏一筋なので巴は友達感覚でしかない)。

こういう設定にした理由

 まず、実際にサバイバルな状況に叩き込んだのは……そっちの方が面白いと思ったからです(笑)。だって普通あんなトンチキな理由でサバイバルさせたりしませんよね、曲がりなりにも教育者が。だったらガチでサバイバルやらせた方が説得力も面白味もあるかな、って。
 それに実際あの面子でマジなサバイバルやらせるのって面白いんじゃないかな、って。なにもないところで生き延びるというのは本当に本当に大変です。街がない→補給ができない生活が、いつ終わるともしれないまま続くというのは精神的にも肉体的にもきついはず。
 なのでいろいろぶつかり合ったり逆にすんげー仲良くなったりして、うっかり友情結んじゃったり、うっかり恋に落ちる可能性も実際ないわけじゃないんじゃないかな、と思うし。エニイタイム恋愛脳の人はまた別として。恐怖に耐えられず一人泣いているつぐみとなにも言わず泣き止むまで一緒にいてくれる橘さんとかよくないかなー、と。
 なんていうかつぐみはですね、頼りになる先輩に優しく包んでもらった方がいいと思ったんです。基本、つぐみって弱めな子じゃないですか? 山編全体からそんなオーラが漂ってくる。まぁ父親行方不明っていう状況じゃ(サバイバルな状況だし)しょうがないんでしょうけれども。
 そんなつぐみを幸せにしてやれると確信できるのは、山組の中だと橘さんしか思いつかなかったんです。最初は白石とかいいんじゃないかと思ってたんですけどね、白石はゲームに登場してないし(いやリメイクには登場してますけれども組み合わせを妄想し始めたのはリメイク前なんで)、なのにダブルスの王子様には登場してるし、そんでそっちのお相手で一番いいのは白石しか思いつかなかったし、っていうんで誰かいないかーいないかーと探して橘さんに。
 実際橘さんだったらなんの問題もなくつぐみを幸せにしてあげられると思います。理想の兄貴だし、男前度すごく高いし。なのにゲーム内ではわりと甘めな雰囲気も醸し出したりしちゃってましたよね? そんな全方面対応可能な橘さんだったら、つぐみの家族も(娘大好きな父親も実は超シスコンな弟も)なにも文句がつけられないでしょう(それが逆に悔しかったりするんでしょうが)。
 で、彩夏は逆にどんな相手でもなんとかできちゃう懐の広さがある女の子だと思うんですよね。比嘉相手でもなんとかしちゃうくらいの子だし。だからお相手にはつぐみとは別の意味でかなり迷いました。
 キャラ的には謙也とかいいかも、とも思ったんですよ。無邪気な女の子がタイプな謙也としては彩夏は(巴もですけど)ガチで好みなはず。そんで女の子に夢見る……というか、女の子にいいとこ見せたりするシチュにわりとときめいちゃったりする男っぽい謙也は、この状況は否が応でも気合が入るはず。女の子がどうこうを別にしても頑張りまくるでしょうし(それがいろいろ空回りしちゃうところも想像できちゃうわけですが)、そういうのを「あはは、ありがとうございます!」と笑って受け入れてくれる彩夏には(巴はなんというかサバイバルは玄人はだしなので、逆に笑顔でここはこうした方がいいですよ! とかアドバイスされちゃうんじゃないかなと。男の矜持ガッタガタ)、うおおぉとばかりに好感度ゲージが上がりまくるんじゃないかなー、とか。
 ただ、その……ゲームには登場してないし(おまけにリメイクでは山編の方に入れられちゃったし)、彩夏は他のキャラのことも頑張ってサポートするところが目に見えますし、いろいろ迷いましてですね……ならいっそ年下の剣太郎で! と。ゲーム内の剣太郎非常に可愛いなーと思いましたし、剣太郎ってほとんどこのゲームにしか出てませんし、中学生っぽく彼女ほしい病の剣太郎に、もったいないくらいの彼女を作ってあげるのもよいのではないか、と。無邪気なおねーさん彩夏に翻弄されつつもフォローされる姿が目に見えてちょっと可愛いですし。
 ……あと、自分実は謙光なんですよね……テニプリで唯一と言っていい本を買うくらい好きな原作キャラ同士のホモカプ。謙也と彩夏の組み合わせは本当に好きなんですが……それでもこう……なんか、自分妄想世界内でくっつけてしまうのに抵抗がありまして……こういうことになりました。
 まぁそんなわけで、つぐみと彩夏は二人仲良くしながら別の相手とおつきあいをしていく感じです。二人ともベクトルは違いますが、幸せに生きていってくれることでしょう。


『ダブルスの王子様』

主人公ステータス

鏡見梓真

学力   200   料理   200   魅力   300
芸術   200   流行   200   運動   350
気配り   250

鏡見武蔵

学力   200   料理   200   魅力   350
芸術   200   流行   200   運動   400
気配り   500

設定

 鏡見兄妹が青春台にやってきたのは武蔵高一、梓真中三の初夏。つまり、原作ゲームより一年後。
 大会が開かれたのは武蔵という全国レベルの逸材を発見したせいもあるが、跡部さまが樺地と触れ合えず(跡部さま高一樺地中三)ストレスが溜まったので、一緒にいても不自然でない理由を作ろうとしたというしょうもない裏話がある。
 鏡見兄妹は原作ゲームでもある通りに相手の技を一瞬でコピーする(打ち方を理解する)能力を持っており、その能力の源は(切原編で言われていたように)二人の瞬間認識力。跡部の眼力のダブルス版とでも言うべき、目の前にあるものありのままをそのまま認識し、勝敗を越えたところで試合のすべてを見ることができるその能力は、極めれば味方の弱点も見抜き、どう動かすのがもっとも効果的か即座に理解することができる。
 さらにこの兄妹は司令塔としても天性の才能を持つ、まさにダブルスの天才とも呼ぶべき人間(これまでは組んできた相手の悪さと自身にそれほど高いテニス能力がないせいでいい成績は残せていなかったが)。大会にはもちろんS&T主人公ズも張り切って参加したのだが、全員この二人には及ばなかった。
 ちなみに大会の結果は白石と組んだ梓真が準決勝で手塚・跡部組をタイブレークまで持ち込みながらも惜敗、佐伯と組んだ武蔵が優勝という結果に終わった。
 S&T主人公ズの成績はというと、桃城と組んだ騎一が準決勝で武蔵に惜敗。海堂と組んだ那美が準々決勝で手塚・跡部組に敗退。隼人は大会の説明を聞いている時に『どっちのダブルス能力が上か』という話でリョーマと大喧嘩になり、別の奴らと組んで大会に出ようとするもボロ負けしどちらも大会に出るだけのバッジすら集められないという無残な結果に。巴は今回はあちらこちらの人間とその時々ごとにペアの相手を変え、今回は幸村と組むことにしたのだが、一回戦で佐伯・武蔵組と大接戦を繰り広げた末に惜敗という結果に終わっている。
 人間関係の方はというと、梓真は基本的に最初に出会った相手でずっと意識していた白石と、ゲーム中のようになんやかんやとありながらも一緒に全力で戦って、ゲーム同様にいつかまた帰ってきたらダブルスを組もう、と約束して別れるものの、半年後の世界大会でまた出会い(白石は研修生として、梓真は女子ダブルスの選手として)、非公式なミクスド大会で組んで優勝し、お互いに得がたいパートナーであることを再確認して、どちらからともなく告白、超長距離恋愛をスタートさせることに。結果、武蔵が大学進学を機に日本に帰るのに親に無理を言ってついていかせてもらう――というか四天宝寺高等部に入学させてもらい、それまでを取り返すようなラブラブカップルへ進化することになる。
 そして武蔵は、すさまじい勢いで周囲の男子とフラグを立てまくりながら(すさまじいスケジューリング能力でゲーム中にあるイベントはどのキャラのもほとんどこなしている)、最終的には最初に出会った人間である佐伯と組んで大会優勝。いろんな男子と絆を結びつつ、みんなに惜しまれつつアメリカへ。いろんな男子たちとメールなどでやり取りしつつテニスの技を磨き、世界大会や里帰りなどの時に男子たちと会って友情を繋げていき、大学入学時日本へ戻る。そうして親友たちと再会を喜びながら、天下一品のダブルス能力を持ちつつも仲間たちのサポートができるように(巴同様)スポーツドクター兼トレーナーの道へと進む。それでもプロになった親友たちとも、違う道を進んだ仲間たちとも、友情はずっと続いていくのでした……みたいな感じで(笑)。

主人公の属性

梓真の属性

 基本的に、普通の女の子。勉強もそこそこするし料理やおしゃれなんかにも気を配る。友達ももちろん普通にいる。
 テニスは生活の一部ではあるけれども、他テニス部男子のように人生を懸けるものというよりは趣味の段階……だったのだが大会で魂を燃やす経験をし、ダブルス能力を磨きに磨いて世界大会へ出られるほどの選手へと成長していく――のだがその根本には白石への想いがあるあたり、根本的なところで恋愛大好きな普通の乙女であることには違いがない。
 隼人たちの視点からするとまさにダブルスの天才というべき女の先輩として尊敬の気持ちがあるので、巴たちの方が積極的に近寄っていく傾向がある(テニスバカ的には同性の方が親しくなっていろいろ吸収したいと思うので)。もちろんメルアドは交換しているし、アメリカに行ってもメールやらなにやらでちょくちょく連絡は取っている。
 なので巴からわりと早期に白石とのことは聞いており、ああ〜とわりと納得されたりしていた。あれだけすごいダブルスプレイヤーだったら白石さんの隣に立っても見劣りしないよな、的な。なので遠距離恋愛に終止符が打たれた時は素直に祝福のメールやらクール宅急便でお祝いのお菓子やらを送ったりしていた。

武蔵の設定

 変な意味でなく、すさまじく男にモテる男。後輩からは懐かれ同級生には親しみを持たれ、おそらく先輩にも可愛がられる奴。
 その理由はその恐ろしいほどのコミュニケーション能力の高さにある。ほとんどが人格破綻者、とまではいかないまでも一般的な社会生活を送るのに苦労しそうな人間であるテニス部男子連中ですら、高圧的な態度はさらっと流しわがままな奴もなんのかんの言いつつ面倒を見てやり、なのに言うべき時はびしっと言い、話をスムーズに、わりと和やかに進ませる。それでいて負けず嫌いだったりと隙もあり、ノリもよくて空気も読め、その上そういったことをまったく意識せずにやっている(すごいことだとは少しも思っていない)ところなどに惹かれ、男どもが雲霞のごとく寄ってくる。
 別に男だけにモテるわけではなく女子にもモテるのだが(イケメンだし)、周囲を男どもが囲んでいるので近寄りにくい感じ(なので武蔵としては自分がモテるという自覚は微塵もない)。跡部のようなアクの強い奴にも好かれまくり、後輩には慕われまくり、同級生にも親しまれまくっている。
 隼人たちの視点からしても、ダブルスの天才として、アクの強い相手をうまく扱える人材として、『あの人すっげーな!』ってくらい尊敬されている。女子ズは梓真の方へ寄っていくが、男子は武蔵の方へ行く感じ。あのリョーマですら武蔵のことはほとんど悪く言わないぐらい。
 なので日本に戻ってきた時はいろんな奴が喜んだのだが、その進路などから巴は武蔵をライバル認定し、『正々堂々競い合いましょうね!』と燃える瞳で宣言した。武蔵の側としては苦笑しつつ、『まぁ、お手柔らかによろしくな』とさらりと受け流してみせたが(武蔵的には世界的にもスポーツ医学の権威である京四郎の娘ということもあり自分じゃ相手にならないだろうという意味だったのだが、巴は余裕と受け取ってむむぅとますますライバル心を燃やすことになった)。

こういう設定にした理由

 まずですね、大前提として、この鏡見兄妹はダブルスの天才である、という認識が自分の中にあります。本人のテニス能力がそんなに高くないのに、パートナーが原作キャラの中じゃ決して強くはないキャラであろうとも、普通に打ってれば手塚・跡部組が相手だろうが勝てちゃうんですから(ゲームでもっとも勝率の高い戦い方は基本『デフォルトの台詞オンリーで打ってゲージが溜まったら必殺技』なわけですし)。
 なのでダブルスプレイヤーとしての能力だったらS&T主人公ズであろうともかなわないくらいであろうと。わざわざ『ダブルスの王子様』なんて題をつけられてるわけですし、切原の説明する主人公の能力っていうのもすごく納得いきましたしね。
 で、ですね。それとは別に、武蔵のモテっぷりにちょっとうぉうと思ってしまいまして(笑)。いやなんていうか、梓真よりも明らかにパートナーとの仲良し度が高い気がするのは気のせいでしょうか。仲違い期間も妹よりぐっと短いし。男同士なせいで気兼ねがないのがすごくいい感じに働いてる気がする。リョーマのデレっぷりとか正直異常なくらいでしたし(ちょっと怖気づきましたよ。なんであんた他では異常なまでに態度悪いのにここではそんなにしおらしいの!? みたいな)。他のキャラともすごくがっつり仲良しって感じでしたし。
 で、そんな状態がそんなに不自然でもないのは、武蔵がものすごく気配りのうまい男だからなんじゃないかって気がしたんですよね。先輩ないし同級生の男であるがゆえの気安さというのももちろんありますが、基本コミュニケーション不全気味なテニス部男子連中のきつい言葉やら言い争いやらをさらりと流して柔らかく翻訳し建設的な方向へ進める会話能力、さらにはどんな問題児に対してもなんのかんの言いながら面倒見たりあれこれにつきあったりしつつ『大変だったけど楽しかったからいいか』みたいに思える寛容さ。そういうのが高いから、人として懐かれるんじゃないかなー、って。
 ……あと、男同士なんだから、少なくとも基本は友情なんだから、何股しても別に問題ないよなー、という気持ちがありまして……せっかくだからいろんなキャラと友情を結ばせまくりたいなー、と……武蔵のデフォのお相手は佐伯なんだろうけど、跡部さまの異様なまでの武蔵大好きっぷりも捨てがたかったし(跡部さまとちゃんと対等でいられる男子の友達とか普通いないですよね……そして跡部さまがその財力を駆使して(相手の気持ちもそれなりに尊重しつつ)その友達に尽くしまくるというのが通常の跡部さまらしくなくてグッときましたし……)、後輩ズのありえないくらいの武蔵への懐きっぷりもステキでしたし、これまではそんな関係ありえなかった三年男子ズとの友達、親友という関係を結べたのも嬉しかったですし……曲者テニス部男子ズでハーレムさせちゃえー、と。
 で、それと対比して、梓真はそんな感じあんまりしなかった、っていうかすごく普通の女の子、むしろたいていのキャラにわりとないがしろにされてる感じがしたので、ちょっとパラメータを落としてます。個人的にテニプリゲーの中で一番不憫な女の子、というイメージがある。梓真には。
 ちなみに二人の進路については……なんというか、この二人がS&Tの主人公ズみたいにプロとかそっちの方にいくイメージがあんまりなかったんですよね。テニスを基本趣味でやってたっていう設定のせいが大きいんでしょうけど、テニスに命を懸ける、というよりはテニスを通じて大切な相手と絆を結ぶ、っていうイメージのが強くって。
 なので、梓真はどうかわかんないんですが(お相手の白石の進路がわかんないから)、武蔵は絆を結んだ相手の役に立てるように、最強のダブルス能力を持ちながらもスポーツドクター兼トレーナーの道を志した、っていうことにしました。プロになって世界の頂点を目指すっていうのもありかとは思うんですけどね、それだとプロになれなかった(ならなかった)みんなとなかなか会えなくなっちゃうので、自分的にはこんな感じで。でも仲良くなったうちの誰かを一生のパートナーとしてダブルスの頂点へ駆け上っていく武蔵とかにも非常に惹かれるんですけどね………! ううう、悩ましい。
 ……ちなみに、ホモカプ的なお相手は、自分としてはサエさんです……。デフォのお相手として推奨されてるっぽいこともありますが、やっぱりお泊りとか強烈でしたし、さわやかイケメンサエさんのお相手が同様にイケメンの男子テニスプレイヤーって、なんかこう……BL的にアリじゃないかな、と思ったのですよ。ゲーム内でも本当にさわやかに仲良しって感じでしたしね。
 この二人は、やっぱり基本は友情で、めっちゃ濃い仲良し男子ズなんですけど、この二人の場合それが体の関係を結んでもいいと思えるぐらいに仲良しに自然とレベルアップできちゃうんじゃないかなー、と。互いに互いのそういう気持ちをなんとなく感じつつも、あえて今の関係を崩す気にもなれなくてラブラブな仲良し男子関係をずっと続けてるんですが、武蔵が日本に帰ってきた時(大学のためちゃんと日本に帰ってきた時でもいいし、高校の時ちょっと里帰りっていう時でもいいんですけど)、お互いに女子がアプローチするところを垣間見てしまう。で、それに対して反発とか、相手に対する独占欲とか、胸が痛いって気持ちとか、そういうものを感じてしまい、武蔵はちょっとぐるぐる悩むんですが、サエさんはまったく悩まず、さわやかな笑顔で武蔵を(そのさわやか手練手管を用いて)口説きます。
 で、そのごく自然に感じられる口説きに武蔵はあれよあれよという間に流されて、そういう関係になってしまい、他の仲間には絶対秘密にしながら、恋と友情が混然一体となった男同士の関係を続けるのでした。ちなみに、なぜ秘密にするかというと、後ろ指を指されるとかそういうのを抜きにしても、たとえ武蔵とそういう関係を結びたいと思ってない仲間でも、武蔵がサエさんとそういう関係なのだと知るとムカッとなる男が相当数いるからです(笑)。健全な友情なんだけど、恋じゃないんだけど、独占欲とか嫉妬心とかも感じてしまうくらい他の男子との関係も濃いのでした。ってことで(笑)。跡部さまとかマジギレしそうだもんなぁ。

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こっから先はホモカプ語り(しかも原作キャラ同士の)なのでお好きな方以外はスルーお願いします!

 えー、自分基本テニプリで好きなのは(原作好きな方には本当に申し訳ないというか、失礼というか、オタクとして自分自身感心しない話だとは思うんですけれども)原作ではなくゲームなので、基本的に原作キャラ同士のカップリングには興味がありません。ホモノマ問わずで。
 ただ、その中で……その……同人誌とかの二次創作の影響を受けて、うっかりハマってしまったカップリングがありましてですね……(いや、本当にこういうのちゃんと原作好きな方とかには噴飯ものだとわかってはいるんですが! 申し訳ない気持ちでいっぱいではあるんですが!)自分の中で、ホモカプにされてるキャラが二組いるんです。
 まず一組目は、鳳宍戸。いや、別に自分この二人に関しては受攻にあんまこだわりないんで、逆でもいいんですが。っていうか自分基本たいていのカプはリバオッケーなんですが。ともかく、テニプリゲー内でもかなりあからさまに後押しされてる組み合わせの二人です。そのせいかどうかは知りませんが、いつの間にかこの二人がカプだというのは自分の中でデフォになってました。
 自分の中でこの二人はですね、『お互いそんな意識は全然ないんだけどヤバいくらい仲良し』という組み合わせでして。まぁほとんどのテニプリゲーでその仲良しっぷりはアピールされてましたけれども、その調子でどこまでもいっちゃう可能性もなきにしもあらずなんじゃないかな〜、と。
 中高に分かれてもなんのかんので一緒に特訓したりその帰りに一緒に飯食ったりする関係が続いて、そういう関係が鳳が高校に入っても、宍戸が大学に入っても、鳳が大学に入っても、二人が社会人になっても続いちゃったりするんじゃないかな〜、みたいな。
 お互い別にやましいことはなんにもしてないんだけど、他の奴らと飲んだ時とかに相手の話題が出た時、『ああ、長太郎ならこの前うんぬんかんぬん』『宍戸さんならこの前かくかくしかじかって』とか相手の近況を当然のように語って、他の奴らに『……なんでそこまで詳しく知ってんの?』とか不審がられてきょとんとするのではないでしょうか。お互いなんにもやましいことはしてないし、別におかしなことをしている意識も全然ないので。
 そんな風に素で仲良しな日々を送ってですね、女の子とかに告白されたりもするんですけど、二人ともなーんか気が進まなくて断っちゃう。他の奴らからなんで断るんだーとか聞かれるんですけど、『好きでもねぇ女に告白されたからってほいほい受ける方が失礼だろ』とか『今は女の子より先にやらなくちゃいけないことがありますから』みたいなことを言って、ずーっとフリーを貫くんですよ。で、そういうのに自分では全然不自然さを感じてないっていうか、本心からそういう風に言ってると、当たり前のように確信してるんですよね。
 で、二人とも二十代の半ばに入った頃に、見合い話が来るんですよ。両親から。
『お前も立派になったことだしお嫁さんを迎えて安心させておくれ』的なことを言われて、二人ともちょっと固まってしまう。これまで女子に告白されてきたのとは違いますからね、結婚って。ジェンダーフリーがごく当たり前の考えとして認知されている現代においても、『結婚することでようやく社会人として一人前になれる』という思考はわりと一般的なもの。それを両親に言われる=結婚してくれと頼まれるということは、たいていのまっとうな社会人にとってもはや要請に近いはず。
 で、そこで初めて二人は自分の中に、それを強烈に拒絶する気持ちがあるということに気づくわけですよ。これまでなんのかんのでごく普通のまっとうな社会人やってきて、親に心配かけるようなことはほとんどやってこなかったのに。
 それで二人はそれぞれ(この考えが相手に関係があるなんて考えもせず)うんうん悩み惑うんですが、お互い相手に相談することを考え、約束をして、出会った時に気づいちゃうんですよ。心の中に生まれる圧倒的な安心感と幸福感に。自分は、この人が好きだからこれまで誰とも付き合わなかったんだ、ということに。
 まぁ当然ですが一般的な良識の持ち合わせがありまくる二人はうろたえ戸惑い混乱しまくり、互いにも、他の誰にも相談できず全力で煮詰まりまくります。自分がホモかもしれない、という認識は一般人にとっては世界が破壊されたかのような衝撃でしょうし。
 そうして、親や同僚と喧嘩したり、上司に叱られたり、最悪のコンディションの中で偶然(思い出の場所とかで)出会ってしまうんですよ。相手に。まったくなんにも約束なんてしてなかったのに。
 とたん、心の中に生まれる圧倒的な安心感と幸福感。相手もそれを感じていると確信できてしまう心の距離の近さの実感。二人は耐えきれず、人目もはばからず抱き合って大泣きし合い、お互いに一生を共にする相手がお互いしかいないことを知るのでした――
 というのはさすがにバカすぎますが(笑)、自分鳳宍にはそのくらいバカップルのイメージがあります。本人同士にはそんなの全然自覚なくって当たり前にしてるとしか思えないんだけど、傍から見たらもうものすごくアレなラブラブバカップル。お互い自分の気持ちに気づいてない頃から見る目のある人には気持ちがまるわかり、みたいな。
 ただ、この二人はどっちも非常に良識が強い人間でもあると思うので、くっつかない可能性も決して低くはないんですよね……後ろ指差されるような関係を(一般人にはホモというのはそのくらい後ろ暗いイメージがあるでしょう)結んだりしたら、親に申し訳が立たないとか真剣に思ってそうな。
 さらに言うならどっちも相当なレベルで鈍感だと思うので、二人とも一生自分の気持ちに気がつかないというパターンも……まぁどんな結末に落ち着くにしろ、氷帝でワンツーフィニッシュを狙えるのではないかと思うほどいい人な二人ですから、幸せになってほしいなぁと思います。
 で、謙光。こっちは自分かなりガチです。自分の中でカプとして認識されたきっかけも、あるサイトさんが原因だろうとかなりはっきり類推できます。さらに言うなら基本この二人はこの順番です。挿れる方が逆になっても、それはプレイの一環で、基本的な思考はどちら側もこの順番だと認識してます。
 でー、ですね。この二人の自分的基本パターンは、まず謙也さんが基本ノンケ。で、財前がヤバいくらい謙也さんが大好き、という感じで固まってます。
 なんというか自分の中の財前はもうホントに謙也さんが好きで好きでしょうがなくて、そんな素振りなんて死んでも見せないし気配すらうかがわせないけれども謙也さんのことをめちゃくちゃカッコいいいい男だと思っていて、抱いてほしいとマジで思ってます。そんな自分がキショいとか終わっとるとか知られたら死ぬとかも思ってますが、謙也さんを見たらそれだけでもう心の中ではラブ全開、『謙也さんカッコエエ……』とか『俺んこと抱いて……』とか漫画のヒロインみたいに恋愛モードに入っちゃうくらい好きなんです。そんな素振り毛ほども見せませんけど。
 なので、ノンケで基本鈍感な謙也さんは財前がそんなこと考えてるなんて全然気がつきません。生意気な後輩としてぎゃあぎゃあやり合い、でも先輩としてなんのかんの言いつつ可愛がり、ダブルスのパートナーとして信頼を預けつつちょくちょくちょっかいをかけます(そのたびに財前は心臓が爆発しそうなほどドキドキしてるんですがそんな気配は微塵も表に出ません、むしろそれを隠すためにも後輩なのに超巨大な態度を取ります)。
 で、全国大会も終わり、Jr.選抜やその後の合宿も終わって、謙也さんは高等部へと進学するわけですが。卒業に一抹の寂しさを覚えつつも、「財前お前ちゃんと部長やるんやで〜?」とか頭ぐしゃぐしゃしつつも、大切な後輩とちょっとの間別れるというレベルの意識で笑顔で財然と別れます。まぁ謙也さん的には相手はダブルスのパートナーだった後輩∴ネ外の何物でもないわけですから当然っちゃ当然なんですが。
 で、それに財然はいつもの仏頂面で「ハァ」とかテキトーな感じで返事して。「お前やる気あるんかい!」「謙也さんウザいっスわ」とかのやり取りも経て。それからもちょくちょく中等部へ顔を出す謙也さんにいつも通りの顔で応対しながら。
 高等部へ上がる際に、姿を消すわけです。先生とかから「財前に頼むから内緒にしておいてくれと頼まれてな……」と親へもう負担をかけたくないという理由で外部の学校を受験したことを知らされ、謙也さんは愕然&呆然。他の四天宝寺メンズも驚きます。
 先生に詰め寄るも、生徒の個人情報だからと教えてくれず。携帯も通じず。財前の家に行っても引っ越したと言われ。
 もう八方塞がりなんですが、それでも謙也さんはムキになって大阪の街をうろついて財前を探します。当てなんて全然ないんですが。勉強もテニスもすごく忙しいんですが、その合間を縫って。
 それでも財前は見つからず、不安で不安で泣きそうになりながら街をうろついて――それから一年か、二年くらいあとにばったり街中で再会しちゃうわけですよ。しかも、財前が女の子をホテルに連れ込もうとしているところに出くわしたという最低のシチュで。
 当然ながら謙也さんはブチ切れ、財前をぶん殴りながらわけを聞き出そうとします(女の子は逃げる)。が、財前はあくまで折れず。消える前とまったく変わらないふてぶてしい無愛想な顔で「……ウザいっスわ」とか抜かし、「あんたにそこまで首突っ込まれる覚えないですけど」だの「年単位? どんだけしつこいねん、ぶっちゃけキモいで」だの「たかだか二年同じ部活やってただけの縁のうっすい先輩に偉そうな口利かれんのマジうっといわ」だの挑発しまくります。
 で、そこまで全力でボロカスに言われるんですけど。謙也さん怒りと悲しみで泣きそうになるんですけど。それでもですね、ばきぃっとさらに財前を殴ってですね。「お前俺なめんのもいい加減にしとけや!」と怒鳴るわけです。「お前俺がどんだけ鈍感やと思てんねん、お前がどんだけテニスが好きで、どんだけテニス部が好きで、どんだけ俺のこと好きやったか、気づかん俺やと思てんのか、ふざけとるんやないど!」とか半泣きで。
 で。ここで財前、壁が崩れます。涙腺決壊。ほろほろほろほろ、と無表情で泣いたかと思うと、ぶわっ、と全力で顔歪めて「う……う―――っ、う――――っ………!」と泣きじゃくります。
 財前のそんな顔見たことも想像したこともなかった謙也さんはちょっとビビッてうろたえるんですが、いやここは! と男気を発揮して財前を抱きしめます。
 で……財前は意地を張りきれなくなり。「ごめんなさい……謙也さん……ごめんなさい……」とか泣きながら言うわけです。「もうええから、泣かんとき」「ちゃうんです……俺、ずっと嘘ついとったんです……」「嘘?」「ごめんなさい……謙也さん、俺、あなたが好きなんです。中学からずっと、好きやったんです。ごめんなさい……」と、カミングアウト。
 謙也さんは思わずポカン。だってそんな話想像したことも、どころか概念の範疇外にあったわけですから。で、そんな謙也さんに、自分がどんだけ謙也さんのことが好きで、謙也さんのことを思って何度オナニーしたか、部活やってる時もどんだけ謙也さんにドキドキムラムラしてたか事細かに語り、「ごめんなさい……マジ、キショいやろ。俺も、ホンマ、自分で……」とか言うわけですよ。
 そしてここで謙也さん、吹っ切れた……というか、ブチ切れたというか。財前を全力でハグして、キスとかかまし(ちなみにこれがほぼファーストキス)。「んなことで悩んどったんやらはよ言えや!」「え……」「俺をどんだけ器の狭い男やと思てんねん。後輩そんだけ苦しませといてはいそーですかとさよならできるかい!」と。で、死ぬほどマジな顔で。「俺とつきあおうや」と言うわけですよ。
 まぁ財前も「同情とかやめてんか」とか「お情けでつきあってもらうとか……マジ……死にたく……。あんた俺がどんだけあんたのことが好きかわかってないやろ……お情けでも、つきあってもらえたら、死ぬほど嬉しいくらいなんや……せやし、マジ、もう……」とかごねるわけですが。謙也さんは全力で、そういう関係は想像したことなかったけどお前のことは好きだとか、お前にそんなに好かれてるなんて思ったことはなかったけど嬉しいとか、俺のことが死ぬほど好きでそんな風に泣くお前のことを可愛いと思ったとか、お前が泣いてるのを放っておくと思うと胸が痛くなるこれはたぶん恋っちゅーやつなんちゃうかなとか口説いて、それでもしぶとく抵抗する財前に「ええからつきあえやぁ!」とブチ切れ半分の男気を見せます。
 で、二人はなんのかんのでつきあい始めるわけですが。この二人は(はたから見たらあんまりそうは見えないんですが)、くっつくともうもんのすごいラブラブなカップルになります。なにせ財前が異様に謙也さんのこと好きで、なにされてもいいと思ってるしどんな仕打ちにも黙って耐えちゃう子なんで(そして辛い気持ちとか死んでも外に見せない)、そんで謙也さんは財前のそういう一途で健気なとこがもうかんわいくて仕方ないわけで(ギャップにハマった)、仲悪くなる要素がないというか。
 財前はどんな相手にもやきもちを焼きまくりますが(そしてそれを外には見せない)、財前のツンの中からデレを読み取れるようになった謙也さんにとっては、そんなところをフォローしてやるのがむしろ楽しみであり快感になってしまっていますし。こっそりとではありますが、全力でいちゃいちゃしたカップルになるんじゃないかなー、と。
 ……あ〜長かった……やたら長々書いて申し訳ありません、本当。でもまず100%小説には書かないカプだからいろいろ溜まってたの……(どっちも自分にはどちらかといえば漫画を読みたいカプなので。それに自分こういうメジャージャンルについては基本『みんなが書いてるんだからわしが書かんでもいいじゃろ』ってスタンスだし)。