2004.10.08.

体罰
07
ドロップアウター



■ 6

 全裸になった私は、股間を両手で固く押さえて、先生の前にうつむき加減で立っていました。胸がドキドキして、息苦しいです。それと、やっぱり寒くて、全身に鳥肌が立っていました。
(恥ずかしい・・・それに・・・寒いよ・・・)
 肩が上下にカタカタと小刻みに揺れています。
 私は、不安に思いながら佐伯先生の顔を見つめました。私がパンツを脱いでから、先生は何も言いません。また叩かれるのかな、と私は思いました。でも、これからどんな罰を受けることになるのか想像するゆとりは私にはありませんでした。今はただ、とてつもない羞恥心を抑えるのがやっとでした。
 佐伯先生は、ふと口元に笑みを浮かべました。
「だいぶ参っているようね。唇が少し青いわ、やっぱり寒いか・・・。それに、あなたの体、全体的に赤いわね。特に頬の辺り・・・。さっきから強がっているけど、やっぱり、恥ずかしいのよね・・・」
 先生の言葉は、まるで私をいたぶっているように聞こえました。私はゾクッとしました。急に、怖くなってきたのです。
 佐伯先生は一度私のところから離れて、部屋の奥にある戸棚のところへ行き、何かごそごそやっていました。
(先生・・・何をしてるの・・・?)
 私はますます不安になりました。
 私のところに戻ってきた時、先生の右手に何かが握られているのが分かりました。
 それは、包帯と、竹製の三十センチ物差しでした。
(何に使うのかな・・・?)
 妙に胸騒ぎがしました。私の心の中で、ものすごく嫌な予感が沸き上がってきたのです。
 先生は無言のまま、なぜか、私の背後に回りました。
(先生・・・何を・・・するの?)
 私がそう思った、その時でした。
「あっ!」
 私は思わず声を上げてしまいました。
 先生はいきなり、私の両腕をがっとつかんだのです。そして、両腕を強引に背中のところに持っていこうとするのです。
「痛い!」
 佐伯先生の力は意外に強くて、二の腕に鈍い痛みが走りました。あっという間に、私の両手は股間から引きはがされてしまいました。
 もちろん、その瞬間に私の一番恥ずかしいところはみんなに丸見えになってしまいました。
(いやっ!)
 私は、声を上げそうになるのを何とかこらえました。
 そのうち、先生は私の左右の手首をくっつけました。やがて、手首に何かを巻きつけるような感触が伝わってきました。それが包帯だということは、すぐに分かりました。
 私は、両腕を後ろ手に縛られた格好になっていました。
 先生は「作業」を終えると、私の前に戻ってきました。
 包帯は、あまりきつくは締められてないらしく、圧迫感はあまり感じられません。ただその分、結び目だけはしっかりしているみたいで、引っぱってみてもほどけそうな感じはしませんでした。
(あ・・・)
 まさか縛られるとは思ってもいませんでした。私は、全裸にされた羞恥心も忘れて、ただ呆然としていました。
 佐伯先生は、また不気味な笑みを浮かべました。
「ホントは、こんな手荒なことはしたくないんだけどね・・・女の子に、股間を隠すな、というのが無理な話でしょ? 罰の時は隠していてもらったら困るから、仕方なくこうさせてもらったの」
 先生の「股間」という言葉を聞いて、一瞬忘れていた羞恥心がよみがえってきてしまいました。
「いやぁ・・・!」
 私はとうとう、恥ずかしさに悲鳴を上げてしまいました。
 先生はなぜか、にこっと笑いました。
「そうそう・・・辛かったら、今みたいに声を上げていいのよ・・・ううん、もっと泣き叫んでもいいのよ・・・そんなやせ我慢をしなくても・・・だって女の子だし、恥ずかしいのが当然よね・・・」
 そう言いながら、先生は私のところに近づいてきました。
 何だかすごく怖くて、私はもう声を上げることさえできません。
 先生は、私とバレーボール一個分くらいの距離にまで近づきました。
(えっ・・・何・・・?)
 先生は、私の顔の下を見下ろしました。
(やだ・・・!)
 体を観察されているのに気づいて、私は顔が熱くなるのを感じました。
「ふふ・・・やっぱりまだ子供ね・・・」
 先生は、妙に明るい口調で言いました。
「あなた・・・おっぱいはまだまだ小さいわね・・・お椀型で形はきれいだけど・・・ブラジャーをするのはまだ早いんじゃないの?」
「い・・・」
 私は「いやっ!」と叫びそうになるのを必死でこらえました。
 先生は、視線をさらに下の方に向けました。
「・・・さっきも見えてたんだけど、あなた・・・アソコの毛がまだ生えてないのね・・・ワレメがはっきり見えちゃってるじゃない・・・産毛は少しあるかな・・・」
 涙がどっとあふれてきました。声を上げる代わりに、私は泣きました。
(先生・・・ひどいよ・・・いくらなんでも・・・こんなこと言うなんて・・・)
 ずっと気にしていた体のことを、しかも部員のみんなの前で言われて、私は打ちのめされた気分になりました。これも、罰の一環だというのでしょうか。
 先生は、私をからかって楽しんでいるだけなのかもしれない。長い時間罰を受けてきて、私は初めてそんなふうに思いました。
 パンツ一枚で正座させられ、頬に平手打ちをされ、今はさらにパンツまで脱がされて全裸になっています。考えてみれば本当に屈辱的で過酷で、今まで耐えてこられたのが不思議なくらいです。
 でも、私はそれを、自分が犯した過ちの償いと考えて、どんなに恥ずかしくても、痛くても、歯を食いしばって耐えてきました。
 さっき先生が言った、「私だって好きであなたを痛めつけているわけじゃない」の言葉を、私は信じていました。確かにその時は、早く罰を終わらせて欲しかったので失望しました。でも後になって、先生もちゃんと私のことを考えて罰をしているんだ、というふうに思えました。
 でも、今の先生は、私をいじめて楽しんでいるようにしか見えません。それなら私は、今まで何のために、過酷な体罰に耐えてきたというのでしょう。
「うぅ・・・うぅ・・・ひっく・・・ひっく・・・」
 私は、おえつをもらしながら泣きました。まるで、幼い子供みたいに。
 もう、緊張の糸がすっかり切れてしまいました。私にはもう、耐える力は残っていません。まだ、罰が残っているというのに。
 後ろ手に縛られているので涙を拭うこともできません。私はうつむいて泣きじゃくりました。
「うぅ・・・ひっく・・・ひっく・・・」
 涙の雫が次々に落ちてきて、おへその辺りや足の甲を濡らしました。
 佐伯先生は無言のまま、床に置いていた三十センチ物差しを取り上げました。それが、私への体罰の最後の「道具」になるみたいです。
 先生は、また怖い顔になって言いました。
「蓮沼さん・・・泣いている場合じゃないわよ・・・まだ・・・罰は残っているんだから・・・しっかりなさい!」
 悔しいけれど、この状況では先生の言う通りにするしかありません。私は泣くのをこらえようとしました。
 何とか落ち着いて、私は二度、深呼吸をしました。
 もう一度、痛みに耐える心の準備をしなければなりません。私は、体を固くしました。
「はい・・・お願い・・・します・・・」
 もう、どうでもいいから早く終わらせて欲しい。終わりさえすれば、この苦しみから解放されるのです。
 まだ涙は完全には止まっていませんでした。でも、息づかいはだいぶ普通の状態に近づいています。
 先生は無言のまま、また少し私に近寄りました。
 そして、何も言わずに物差しを振り上げました。
 私は一瞬、目をつむりました。


 パシッ!
「ツッ・・・」 
 パシッ!
「うっ・・・」
 一発目、二発目が、私の小さな肩の両側に飛んできました。竹の物差しは思ったより堅くて、思った以上の痛みを感じました。
 続けざまに、次が飛んできます。
 パシッ! パシッ!
「うっ・・・うぅ・・・」
 今度は、背骨の部分を二回打たれました。焼けるような痛みを覚えました。見えないけれど、たぶん私の背中には、赤い線が二本できていると思います。
 全裸の格好で、後ろ手に包帯で縛られた私はされるがままでした。少しうつむいて、体をかたくして、次々と襲ってくる痛みにひたすら耐えるだけでした。
 私は、まだ泣いています。なかなか涙をこらえることができません。痛いから、ではありません。今の自分があまりにも惨めで、悔しくて悔しくて仕方なかったのです。
 パシッ! パシッ!
「うっ・・・ぐっ・・・うぅ・・・」
 今度は、左右の二の腕に物差しが振り下ろされました。
 佐伯先生は、叩く箇所によって、私の前に立ったり後ろに立ったりと立つ位置を変えています。
「いやぁ・・・」
「もうやめて・・・!」
 部員の何人かが、また泣き声を上げています。
 私が本当に苦しそうにしているから、いたたまれないんだと思います。さっきみたいに、唇をきゅっとかみしめてこらえることができれば・・・でも、私は本当にボロボロで、立っているのがやっとです。もう、弱々しく泣き声を上げることしかできません。
 佐伯先生は、また私の正面に立ちました。そして、私のおなかに向かって物差しを振り下ろしました。
(えっ・・・そんなところも・・・)
 パシッ! パシッ!
「あぐ・・・うっ・・・!」
 私が驚く暇も与えず、先生は私のおなかを続けざまに二度打ちました。
 今まではわりと丈夫なところを打っていたのに、今度は弱いところも打ってきました。
(怖い・・・全身・・・叩かれる・・・!)
 私は恐怖を感じました。
 先生は、今度はまた背後に回りました。
 パシッ! パシッ! パシッ! パシッ!
「あっ・・・あっ・・・あぐ・・・うぅ・・・!」
 四発続けて、先生は私の左右のふくらはぎを打ちました。
 物差しで打たれる度に、私の体はビクンと上下に動きました。そして、さっき平手打ちをされた時みたいに、乳房も体が動くのに合わせてぶるんと揺れました。
(やだぁ・・・また・・・)
 そのことをまた意識してしまって、余計に恥ずかしさが増してきました。
 太ももを打った後、佐伯先生は私の背後にいたまま、少し膝を曲げました。
 佐伯先生の目線の先を知って、私は顔が熱くなりました。
(やだ・・・先生に・・・おしり・・・見られてる・・・)
 先生はなぜか叩くのをやめて、私のおしりをじっと見ています。
(先生・・・お願い・・・見ないで・・・恥ずかしいよ・・・痛いのは我慢するから・・・!)
 私は泣きながら、心の中で懇願するしかありませんでした。
 先生は、今度は私の願いに応えてくれました。
 間もなく、先生は物差しを振り上げました。
 パチーン! パチーン!
「うぅ・・・あぐ・・・!」
 おしりの皮膚に、じーんとした痛みが残りました。
 でも、一度沸き起こった羞恥心は、なかなか治まってはくれません。
(やだ・・・先生に・・・あたしの体・・・見られてる・・・!)
 部員のみんなに見られているというだけでも、十分に恥ずかしいです。先生が間近で私の体を観察するような仕草をするので、人に全裸を見られているということを、余計に意識してしまうのです。
 胸に少し痛いような感覚を覚えました。
(やだ・・・また・・・!)
 乳房の先端のピンクの部分が、また自己主張を始めたのです。
(やだ・・・大きくなるのが・・・止まらない・・・)
 先生はいつの間にか、私の正面に回ってきていました。
(いや・・・先生・・・!)
 先生はさっきと同じように、すぐには叩こうとしないで、また私の体を観察し始めたのです。
(先生・・・お願い・・・見ないで!)
 乳首が大きくなっているのを見られていると思うと、恥ずかしい気持ちが今まで以上に強くなってきました。
 体中がほてって熱いです。それに、胸がとてもドキドキして、何だか息苦しい感じです。
 しかも・・・これは、できれば自分では認めたくないんですけど・・・股間が、変なのです。
「いやっ!」
 声を上げてしまってから、私はますます恥ずかしくなりました。
 私のアソコは、濡れてきていました。おしっことは違う透明な液体が、ワレメからにじみ出てきていたのです。
 転校する前の学校で、友達がこんなことを言っていたのを思い出しました。
「女の子は、興奮して気持ち良くなると、アソコが濡れてくるんだって・・・」
 友達の「興奮する」という言葉に、私は何だかいやらしい性的な意味合いを感じました。それが今、自分の身に起こっています。それも、十人以上の人が見ている前で・・・。
(いやっ・・・あたし・・・興奮しちゃってるの?)
 私は反射的に、股間を手で隠そうとしました。でも、私を縛っている包帯が、それを許してくれません。
 包帯を二、三回左右に引っ張って、私は諦めました。
 こんなはしたないところを、たくさんの人に見られてしまっている。そう考えるだけで、私は気が狂いそうになりました。
 それでも、何とか大声を上げることだけはこらえました。
 私がいくらか落ち着いたのを見計らったように、先生はまた私を物差しで打つかまえをしました。
(えっ・・・それってまさか・・・!)
 物差しを振り上げた角度が、私の胸に向いているのを瞬間的に悟って、私ははっとしました。
 その瞬間でした。
 パチーン!
「あっ・・・!」
 私の左側の乳房の下の方に、物差しが命中しました。それは、今までで一番の痛さでした。
 背中がぞくっと震えました。
 乳房の下に、赤い線のような跡ができました。
「いやぁ!」
 部員のみんなが悲鳴を上げる声が、頭の奥の方で聞こえました。
 だいぶ頭が混乱していました。それでも、一つだけ分かったことがありました。
(もう一発・・・くる・・・!)
 私が予想した通りでした。
 先生はまた、私の胸に向かって物差しを振り上げたのです。
(怖い!)
 私はその瞬間、目をつむりました。
 パチーン!
 その時、信じられないような激痛が走りました。
「あぐぅ・・・!」
 私は思わず大きな声を上げてしまいました。
 先生が振り下ろした物差しは、何と、右側の乳房の先端、乳首にまともに当たったのです。
 全身がしびれました。本当に、死ぬような痛みを覚えました。
 他のみんなは、今度は悲鳴すら上げませんでした。みんな顔をそむけて、すすり泣いているのが見えました。
「ごめんなさい・・・狙いが外れちゃったわ」
 佐伯先生は、随分と冷淡な口調で言いました。
「さあ・・・痛いのは次で終わりよ・・・最後まで・・・がんばりなさい・・・」
 先生の口から「次で終わり」という言葉を聞いて、私はかなり安堵しました。
「はい!」
 私はこびるような返事までして、先生の顔を見つめました。
 たぶん、私は少しだけ安らかな表情を浮かべていると思います。
(これで・・・終わるんだ・・・この苦しみが・・・全部・・・)
 安心してしまったせいで、また、涙が出てきました。



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