2004.10.08.

体罰
06
ドロップアウター



■ 5

「ハア・・・ハア・・・ハア・・・」
 十発の平手打ちを頬に受けた私は、膝から床に崩れ落ちて、そのまま座り込んでいました。ずっと体に力を入れていたせいか、さすがに苦しくなって息が荒くなっています。そして、泣かないつもりだったけれど、やっぱり少しだけ涙ぐんでいました。
 もう、恥ずかしいところを隠す力も残っていません。乳房の先端のピンクの部分は、さっきから自己主張をしたままです。それが、先生や他のみんなに見られてしまっていることは分かります。恥ずかしい、とは思っています。でも、今は呼吸を整えるだけで精一杯なのです。
 頭の上から、佐伯先生の声が降ってきました。
「ふふ・・・細い体でよくがんばったじゃない。でも、まだ終わりじゃないのよ。しっかりなさい」
(そうだ・・・まだあるんだ・・・あたし・・・がんばらなきゃ・・・)
 頬に手を当てると、しびれるように痛みました。今は見えないけれど、たぶん少し赤く腫れていると思います。
 私はさっき少し切れてしまった唇をきゅっとかんで、どうにか立ち上がりました。
 私は、すぐに乳房を腕で覆い隠しました。
 佐伯先生は、あきれたような口調で言いました。
「あらあら、まだ恥じらっている余裕もあるの。かわいい顔して、意外としたたかじゃないの」
「次を・・・お願いします」
 私はきっぱりと言いました。
 さすがに、気力が限界に近づいていました。今までは、自分なりに何とか気丈に振る舞うことができたのですが、この先はどうなるか分かりません。
 幼児のように泣きじゃくって、同情を誘うようなことはしたくありません。だから、気力が保てるうちに、早く全てをやり終えて欲しいのです。
「まあ、待ちなさい。あたしだって、あなたを好きで痛めつけてるんじゃないんだから」
 先生の言葉は、私の願いを裏切るものでした。
部員の半分以上は、まだ泣いていました。むしろ、やられている私の方が平静なくらいでした。
 私は胸が痛みました。
(みんな・・・ごめんなさい・・・怖いところを・・・見せてしまって・・・本当に・・・ごめんなさい・・・)
 佐伯先生は、腕組みをして、みんなを睨みつけて言いました。
「やっぱり、この子一人に罪を背負わせるのは無理みたいね。だからあなた達も、少しは罰を受けてもらうわ」
(えっ?)
 私は一瞬、自分の耳を疑いました。
(そんな・・・あれは全部私が悪いって・・・先生そう納得してくれたんじゃ・・・)
 私は、先生の言葉に反論しようと一瞬思いました。でも、口を少し開けただけで、結局何もできませんでした。私はもう、疲れ切っていました。
 また、涙が出てきました。
「うぅ・・・ひっく・・・ひっく・・・」
 私は顔を覆ってすすり泣きました。
(みんな、ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・あたしを・・・あたしを許して・・・)
 佐伯先生は、みんなを威圧するような口調で言いました。
「上半身裸になりなさい。それと、靴下も脱ぎなさい。本当はスカートも脱いでもらうつもりだったけど、蓮沼さんの健気さに免じて、それだけは許してあげる」
 先生の言葉を聞くと、部員のみんなは一斉に衣服を脱ぎ始めました。
「いや・・・」
 私は小さく声を上げました。
 でも、私にはもう、どうすることもできませんでした。
「早苗ちゃん・・・」
 その時、堀江先輩が私に話しかけてきました。
 私はしゃくり上げるのが止められないまま、先輩の方を見ました。
「もう、十分だよ」
 先輩は、そう言ってかすかに微笑みました。
「早苗ちゃんの気持ちはよく分かったよ。えらかったね。こんな辛い罰、一年生なのに我慢してちゃんと受けて・・・」
 私は大きくかぶりを振りました。
(そんな・・・私が悪いから当然です・・・)
 でも、声がどうしても出てきません。
 先輩はすでにブレザーを脱いでいて、ブラウスのボタンを外しながら言いました。
「でも、いくら原因が早苗ちゃんにあるからって、一人で背負い込ませることはやっぱりできないよ・・・あたし達だって見てられないよ・・・だからお願い、私達にも少しは背負わせて」
 そう言い終わった時には、先輩は脱衣を終えていました。
 堀江先輩の乳房はけっこう大きくて、それにきれいで、何だかお母さんみたいでした。
 先輩は裸になると、私の頭をポンポンと叩いて、自分の席に戻りました。
 そのうち、全員が脱衣を終えて、それぞれの席に戻りました。
 私は、少し痛んでいる唇をきゅっとかみ締めました。振り返ると、佐伯先生がまた私を怖い目で睨んでいます。
 体罰が再開されるということを、私は悟りました。
 静まり返った部屋の中で、佐伯先生の声だけが静かに響きました。
「それでは蓮沼さん・・・残りの・・・全員の肩代わりの分の罰を受けてもらうわ」
 先生は、「肩代わり」という言葉を強調していいました。部員のみんなはその言葉を聞いて、いたたまれないような表情になってしまいました。
 部員は全員、裸です。私とみんなとの違いは、スカートをはいているかいないかだけです。みんな、恥ずかしがっているようです。特に私と同じ一年生の部員は、顔を真っ赤にしてうつむいていました。
(みんな・・・あたしのせいで迷惑かけて・・・本当にごめんなさい・・・でも・・・ありがとう・・・)
 私のせいでみんなに恥ずかしい思いをさせてしまって、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 ただ正直、羞恥心はだいぶ和らぎました。さっきは私一人だけが裸でとても心細かったけれど、今はみんな一緒です。私だけパンツも見られているという違いはあるけれど、それでも、何だか気が楽になったような気がします。
 体の方は、頬の痛さと全身に刺さるような寒さで、あまり良い状態ではありません。でも、「苦しみももうすぐ終わる、それまで頑張ろう」という気持ちに、自然となることができました。
(大丈夫・・・今なら何でも耐えられる・・・耐えられる・・・)
 私は、何度も自分にそう言い聞かせました。
「では・・・始めますよ」
 佐伯先生は、淡々とした口調で言いました。
 私はまた両腕を体の横に下ろして先生の言葉を聞いていました。さっき緊張が少し抜けたせいか、胸は幸いにも普通の状態に戻っていました。先端のピンクの部分がさっきよりも小さくなっているのを見て、私は少しほっとしました。


 先生は、ほとんど無表情のままで言いました。
「まずは・・・パンティ、脱ぎなさい」
「えっ・・・」
 その瞬間、私はいきなり往復ビンタを浴びたような気分になりました。
 胸の奥が、チクチク痛みました。
 あまりのショックに、私はしばらく固まってしまいました。
「蓮沼さん、聞こえなかったの?」
 佐伯先生はだんだん怖い顔になっていきます。
「パンティを脱ぎなさいって言ってるのが分からないの?」
 膝ががくがく震え始めました。ゾクッとして、全身に鳥肌が立ちました。
(そんな・・・パンツも脱ぐって・・・そんなことしたら・・・やだ・・・やだよぉ・・・)
 顔が熱くなりました。私はうつむいて、しばらく動くことができませんでした。
 先生が今の命令を撤回してくれることを、心のどこかで期待していました。
(いや・・・みんなの前で・・・パンツ・・・脱ぐなんて・・・そんなこと・・・そんなこと・・・)
 先生だけでなく、部員のみんなの視線を痛いほど感じました。これからみんなに、私が一番恥ずかしいところを見られてしまう、そう考えると、本当に気が遠くなりそうでした。
「蓮沼さん」
 佐伯先生は凄みました。
「これはそんなに驚くような罰じゃないのよ。あなたさっき、みんなが集中できないのは自分のせいだって認めてたじゃない。みんなの責任も自分一人で背負う、その分の罰も受けるって、自分でそう言ってたじゃない」
「はい・・・」
 私は震えた声で返事しました。
「責任を背負うというのは、そういうことなのよ。パンティを脱いでもらうのは、みんながスカートを脱ぐ分を肩代わりしてもらうから。自分で言ったことは、最後まで全うしなさい」
「はい」
 いつの間にか、涙声になっていました。
(そうだ・・・あたし・・・自分で責任を取るって言ったんだから・・・その責任・・・ちゃんと最後まで・・・取らないと・・・)
 私はゆっくりとした動作で、パンツのゴムの部分に指をかけました。
「いやっ!」
「やだ・・・」
 その時、また何人かが声を上げるのが聞こえました。
(みんな・・・ごめんね・・・また怖いところ見せちゃうけど・・・あたし・・・あたし・・・自分がしたこと・・・ちゃんと償うね・・・)
 私は少し前かがみになって、指先に力を込めました。
(がんばれ・・・がんばれ・・・)
 私は自分にそう言い聞かせました。
 一瞬、私は目をつむりました。
 そして・・・パンツを思い切り膝の辺りまで下げました。
「いやっ!」
 また悲鳴が聞こえたのですが、なるべく冷静でいようと心がけました。
 自分の下半身は見ないようにして、パンツを足から抜き取りました。胸がすごくドキドキしました。
 パンツをすでに脱いでいた衣服と一緒においてから、私はまた先生の前に立ちました。
 その時、私は見ないようにしていた自分の下半身を見てしまったのです。
(ダメ・・・!)
 私は耐えきれなくなって、アソコを両手で強く押さえました。
 自分の下半身を見てしまってから、みんなに全裸を見られているということを急に強く意識してしまったのです。全身が火照りました。
(見られちゃった・・・みんなに・・・あたしのアソコ・・・見られちゃった・・・)
 アソコを見られた恥ずかしさは、さっき乳房を見られた時とは比べものにならないくらい強いものでした。
 まばたきをすると、涙がじわり、じわりと流れ出てきます。
(恥ずかしい・・・こんなこと・・・やだ・・・やだよ・・・もう・・・消えてしまいたい・・・)
 私は、心の中で泣き叫びました。



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