捲簾×ハ戒(1)


彩乃様の捲八

※ このイラストは「Clock Factory」by 彩乃さまの許可を得て掲載していました。大好きでした。







捲簾×八戒(1)







「できたーッ! 」
 天蓬元帥は今日も元気だ。西方軍本部に叫び声がこだまする。
「できましたよ捲簾ッ! ほらほら見て下さい。僕の叡智の結晶を! 研究の成果を! 理論物理学を応用した……」
「悪用の間違いだろ」
 大将はいささかうんざりといった声を出した。精悍な軍服姿だったが、腰に下げているとっくりが、ふざけた印象だった。
「うるさいですねぇ。ともかく画期的ですよ! 『ドコでもドア』 になんて負けませんッ」

 元帥は握り拳を眼前で振り上げた。きっぱりと言い張った。天界きっての美貌を誇る天蓬だったが、ここのところ本人のいう 『研究』 とやらに没頭しすぎて、髪もろくろくとかしていない。
 薄汚れた白衣を着込み、ぼさぼさ頭でうれしそうに笑っている。部下どもが見たら、さぞ嘆くことだろう。
「なんなんだよ。こりゃ」
 捲簾は、天蓬が自信たっぷりに指し示す妙な機械を、頭を掻きながら眺めた。近くに寄ろうとして、棚からはみでてた本にぶつかった。ばさばさと、床に落ちてほこりを立てる。
「おわっと! お前、もー少し部屋を片付けろよな! 」
「ふ……分かってませんね、捲簾。一見、無秩序なこの部屋が、実は計算されつくした配置だということが」
「嘘だろ? 」
「嘘です」
 捲簾大将は頭を抱えた。天蓬と言い争いをしても勝てたためしがなかった。
「……俺、帰ってもいい? 」
「なんてことを言い出すんですか、あなたは。これから 『コレ』 の試運転をしようってのに」
 天蓬はにやりと笑った。ふたりの間にある、ごてごてした機械を指し示す。
「『コレ』 って……」
「次空転送機ですよ」
 元帥はこともなげに言った。かけている眼鏡のレンズが白く光る。
「毎回毎回、軍隊率いて下界に行くのも芸がないでしょう。もっとお手軽に行ければいいなーなんて思って、開発したんです。僕版 『ドコでもドア』 ですよ」
「ドアってぇ感じはしねぇけど……」
 捲簾は、まじまじとその装置を見上げた。高さは捲簾の背の倍はあった。大きな球形で、金属光沢を放っている。
 計器類がごてごてとその表面を飾り、アンテナが数基つけられていた。アンテナの何本かは、下へ向けて捻じ曲げられている。放電でもするらしい。
「ってことで、試運転です。僕自身で試すのも怖いし……」
 天蓬は横目でちらりと捲簾を流し見た。
「な、なんだよ」
「あなた、頑丈ですよね。僕なんてアレでしょ、美人薄命ってヤツの見本でしょ? 見た目どおり、か弱いモンで、はっはっは……あなた、先に試してみません? 」
「ふ、ふざけんな? 天蓬オマエ……! 」
 からかわれているのかとも思ったが、元帥の目つきは本気に見えた。
「往生際、悪いですよ。捲簾」
 天蓬が、ぽんと肩に手を置いて、首を横にふる。その口元はかすかな笑いに歪んでいる。
「ちょ! おま! 」
「骨は拾ってあげます。……人生いたるところに青山墓地ですよ! 」
「待て! まてまてまて! 」
 ツッコミどころ満載なセリフだった。おまけに、逆らうなら実力行使だとばかりに、天蓬の手が、捲簾の腕をつかんだ。無理やり、ワケのわからない機械の操作をさせようとしているのだ。
「ほら、このボタンを押せばいいんですよ。簡単でしょ」
「まてまてまてまてまてまてまてまてぃ! 」
 捲簾は必死だ。
 思わずつかまれた腕をふりほどこうとする。天蓬ともみ合いになった。
「あ! 」

 そのときだった。

 ガコン。

 ヘンな音がした。

「い、今の」
「うわ、どこを押したんです? 捲簾」
 もみ合っているうちに、ボタンを押してしまったらしい。機械内部の何かが高速回転している。唸るような音が響きだした。スイッチが完全に入ってしまったようだ。次空転送機とやらの機体が大きく震動する。
「……! 」
 様子がどうもおかしい。転送機から、焦げるような匂いと煙が立ち上りだした。
「伏せて捲簾! 」
 天蓬の声とともに、落雷に似た音が部屋に響いた。転送機からのびたアンテナが白く発光する。
 もの凄い衝撃が床へと走り、天蓬の部屋の本棚は全てふっとんだ。椅子が転がり、机の脚が折れる。高圧の電撃と、部屋のほこりで、何かが焦げたような嫌な匂いが空気に広がった。
「あぶねぇ天蓬! 」
 本棚が次々と倒れてきて、思わず捲簾は天蓬を庇った。覆い被さり躰を張って守る。
「ぐわ! 」
 軍服を着たその広い肩に、重い本棚が圧し掛かってきた。
「〜〜〜〜〜!!! 」
 背を打たれる衝撃に、捲簾がなんともいえない表情を浮かべ、目をむいて耐える。
「捲簾! 」
「ばっか動くなあぶねぇだろが! 」
 大将は、向こう見ずな美人を叱りつけた。
「捲簾……あれは……」
「ああ? 」
 躰の下で、天蓬が目を丸くしている。その驚いたような視線の先を捲簾も追った。
「…………」
 天蓬が開発した、キテレツな転送機のそばに、いつのまにか人影があった。
「あれは……」
「設定ミスですかね。下界から、こっちに送られてしまったみたいですね」
 まき上がった、部屋のほこりと、ショートした機械の煙に油の匂い、電線が切れてバチバチと火花が散る音。
 そんな無粋なものを背景に、『彼』 は立っていた。
 まだ、二十代そこそこの若い男だった。
 黒く濡れたような艶を放つ髪は短く整えられていた。前髪はやや長めで、額の左側で分けられている。艶やかな髪の間から、バンダナがのぞく。
 顔は整って小さく、細い鼻梁がすっきりとしていた。ひたと見つめられたら、どんな男だろうと舞い上がってしまうに違いないと思わせる瞳は深い緑色で、孔雀石よりも深く、緑柱石よりも純粋で、翡翠よりも神秘的な色をしていた。
 右目にはモノクル――――単眼鏡を嵌めている。左耳には銀色の金属でできた、小さな筒状のカフスを三つつけていた。
 服は中華風のチャイナで、これまた瞳の色とつりあうような深い緑色だった。服の切れ目から、ときおり見え隠れする白い肌が扇情的だ。
 大型の鷲か、鳥でも飼っているのだろうか、鷹匠のように、肩から白い布をかけている。
 その顔も、瞳も、髪も、唇も、鼻も、ひとつひとつは控えめで目立たないが、じっと見つめていると、全てが完璧な造形だということに気づく。
 完璧に美しい黒髪は、完璧な艶を放ち、完璧な顔は、完璧な輪郭に支えられ、そしてそれは当然、完璧な首に、完璧な胴に、……完璧でしなやかな肢体に繋がっていた。
 こんな事態だというのに、一瞬、捲簾はこの青年にみとれた。
 突然、天界に現れた青年は、そのまま床に崩れるようにして倒れた。 
「おい! 」
「捲簾ッ水です!水! 」
 捲簾と、天蓬は慌てて、倒れた青年に駆け寄った。






 しばらく経ってから、捲簾が口を開いた。
「んで? 」
 本棚に、したたかにぶつけた背を痛そうにさすっている。
「……おかしいですよねぇ。僕の計算は完璧だったはずなのに……時間座標が数百年単位でずれていた上に、転送の方向も狂っていたなんて」
 天蓬は転送機の設計図を見ながらぶつぶつと呟いている。
「もういちど検討しないと……」
「おい! 」
 大将はたまらず怒鳴った。
「どーゆーことだよ! これは! 」
 捲簾は、黒髪の青年を指さしながら叫んだ。
「要するにですね! 数百年後の世界から、勝手に転送機がこの天界に 『人間』(?)を送り込んできちゃったんですよ! 」
 天蓬は開き直った。
「ああ……なんてことだ……科学の敗北だ……」
 天蓬は白衣を着込み、便所下駄みたいなサンダル履きで座り込み、部屋の床に 『の』 の字を書きだした。
「…………」
 捲簾は絶句し、天蓬の言う 『人間』 の方をそっと見つめた。
 綺麗な青年だった。
 きょとんとした表情で、天蓬の部屋の椅子に座っている。何が起きたのか分かっていないようだ。
「おい、アンタ」
 大将は、青年に呼びかけた。
「名前、なんていうんだ」
 整ったその白い顔を覗き込む。相手は、一瞬怯んだように、躰を反らせた。
「とって喰おうってワケじゃねぇ。今回は、悪かったな。謝るからよ」
 捲簾は、鼻の頭を指で掻きながら、面目なさそうに言った。
「八戒です」
「ったく、ウチの天蓬、悪気はねぇんだ……ちょいとマニアだけどよ……そうそ、はっかい……え? 」
「僕の名前は、八戒です」
 にっこりと相手は笑った。艶のある黒い前髪が揺れる。
「僕、西へ向って旅をしている途中なんですけど……宿で寝ていたら……なんだか凄い音がして、起きたらここに……ここはどこです? 
 物怖じしない、落ち着いた様子で大将に話かけてくる。優しい容姿に似合わず、結構、骨のある男らしい。
「ここ? ……天界って……分かるか」
「天界? 凄いですね。僕、絶対に天国には行けないと思っていたのになぁ」
 捲簾の視線の先で、八戒はにっこりと微笑んだ。
 思わず、捲簾はその笑顔に見とれかけた。
 すると。
「まぁ、その安心して下さい。あなたのことは僕が責任もって、下界に帰します」
 いつの間にか、傍に来ていた天蓬が間から、ずずいと口と躰を挟んだ。おまけに両手ですかさず八戒の手を包み込むように握り締めた。
「大丈夫。僕に任せて、あなたを見ていると、他人という気がしないんですよ」
 相当、格好つけて元帥は気障(キザ)に笑った。大人の男の色気満載といった笑みを惜しげもなく、振りまいた。ここぞとばかりに眼鏡を外してツルを口に咥えた。
 何をアピールしているのか元帥。落ち着け元帥。捲簾でなくとも頭を抱えて叫びたくなる。
「その可憐な唇とか、控えめな仕草とか……もう、自分と生き写しだなって……きっとこれは前世からの約束ですよ。僕とあなたがここで……こうやって出会うってね」
 すっかり自己陶酔している。しっかりと八戒の手を固く握り締めて離さない。
「……天蓬、下界に帰すったって、オマエ」
 呆れた捲簾が割って入った。
「『転送機』 とかいうの、あんなんだけど……帰せるのか? 」
 捲簾が指差す向こうには、黒焦げになって壊れている転送機が転がっていた。
「……大丈夫ですよ必ず故障は直しますし。万が一直らなかったら……僕が責任とって面倒みます……あなたのことを」
 天蓬は、八戒をどさくさ紛れに抱き寄せた。
「え、ええと。えとあの」
 八戒が面食らって言いよどむ。真っ赤になった。舌が回らないようだ。
「ああ! もう! オマエは何言ってんだ! 」
 元帥の暴走っぷりに、捲簾が呆れて口を挟む。
「いいじゃないですか! あんたこそなんです。いっつも女と浮名を流してるじゃないですか! いいでしょうが! 僕だって浮気のひとつやふたつ!みっつやよっつ! 」
「うるせぇ! それとこれは話が別だろ! バカ! 」
 突如、自分を挟んで始まった痴話喧嘩に、八戒が目を丸くする。
「ははは……」
 力なく、八戒は笑った。笑うしかなかった。
「……天国って、案外……騒々しいトコなんだなぁ」
 八戒はそっと部屋を見渡した。
 めちゃめちゃだった。暴走した転送機のせいで、本棚は倒れ、机と椅子はひっくり返り、そこかしこが本で埋まり床が見えない。あまり掃除も普段からしないのだろう。ほこりもひどかった。
 その上、天蓬の変なコレクションが散乱していて目も当てられない。
「部屋、片付けないと……って」
 そんな八戒の耳に、元帥と大将の声が再び飛びこんできた。
「俺がいつ浮気したよ! いい加減にしろよな! 」
「は! じゃあ言わせてもらいますけどね! 僕、あなたから、この間の焼肉の代金、払ってもらってませんよ」

「細けぇな! いいだろそんなん。時効だ。時効」
「ふざけてんじゃないですよ! 給料日前なんですよ! 今、返してもらいましょうか! 」
 痴話げんかは延々と続いていた。
 八戒は散らかり放題、ゴミだらけの部屋で、困ったふたりを前に深々ともう一度ため息をついた。

前途多難だった。






 数時間後。
「悪ぃな」
「いえいえ。半分僕のせいなんでしょう? 」
「いや、あんたのせいってワケじゃ」
 八戒と捲簾は散らばっている本を拾い集めていた。そんなふたりの会話に元帥が口を挟む。
「ああ、はいはい。僕のせいですよね僕の。分かってますよ。僕のせいだってことぐらい」
 傍らで、天蓬もぶつぶついいながら本を掻き集めている。とはいえ、本を片付けながら、中身を流し読みする癖のある元帥の『片付け』は、効率がひどく悪い。はっきりいって掃除要員としては、戦力外だった。
「いじけんじゃねぇよ。しつこいぞ」
 捲簾がぼそっと言った。本をどんどん傍らに積み上げる
 そのときだった。
「元帥閣下! 」
 ドアの外から、部下の呼ぶ声がした。
「なんですか。今、忙しいんですよ」
 面倒臭そうに返事をする。
「傲潤閣下がお呼びであります! 」
 その言葉に、天蓬が白衣の裾を叩いて、のろのろと立ち上がった。はーっと嫌そうにため息をつく。しかし、竜王のお呼びとあれば、無視するわけにもいかない。
「しょうがないですねぇ。ちょっと僕は用事を済ませてきますよ」
「とかなんとか言っちゃって、うれしそうじゃねぇか? 」
 捲簾がからかい半分に口を出した。長いつきあいなので、この男が後片付けだの、掃除だのたぐいが大の苦手だということなど知り尽くしているのだ。
 生理整頓なんていう小面倒くさいことから逃げ出すことができて、内心喜んでいない筈がない。
「うるさいですよ。それより、捲簾」
 眼鏡のブリッジを、ひとさし指で支えて掛けなおし、天蓬がレンズの奥から睨んだ。
「……僕の留守中にヘンな気を起こさないで下さいよ」
「なんだよ! それ! 」
 大将は顔を歪めた。
「幾ら可愛いからといって、僕のいない隙に抜け駆けは許しませんよ」
 そう言って、捲簾と八戒を交互に見つめる。
 思わずそのセリフに、捲簾は軍靴を履いた片足を振り上げ、相手を蹴る真似をした。
「下らないことばかりいいやがって」
「ま、なら、いいんですけど。八戒ちゃんは 『僕の』 ですから」
 しれっと言ってのける困った悪友へ、捲簾は思わず手に持っている本を投げつけた。ひょいひょいと天蓬が躰を左右に振って器用に避ける。
「ははは。じゃあ」
「帰ってくんなバカ! 」
 笑い声とともに閉まったドアへ、大将は渾身の力を込めて、百科事典ほどもある大きな本をぶつけた。廊下から、天蓬の笑い声が漏れ聞こえてくる。
「ったく」
 ぜぇぜぇと肩で息をしながら、捲簾は屈み込んだ。精神的に一気に疲れたのだ
「大丈夫ですか。少し休みますか」
「い、いや」
 八戒には、捲簾と天蓬のやりとりは、何がなんだかよく分かっていないらしい。自分をとりあっての痴話げんかなどと知ったら、目を丸くするに違いない。
 まだ、気づかれていない。ほっとすると、捲簾は照れ隠しのように言った。
「……ここに倒れてる本棚じゃまだな。どけるか」
「あ、でも。まだ置く場所がないですよ」
 確かに八戒のいうとおりだった。本で足の踏み場もないところに、本棚が重なるようにして倒れているのだ。
「……しょうがねぇな。まず、この棚を置く場所をつくるか」
「ええ」
 捲簾と八戒は、壁際から本を除けようと、拾い集めて傍らに積みあげだした。
「ああ、もうキリがねぇな」
「はは、でもよく集めましたね。こんなに本を」
 革の表紙のものから、いかがわしいイエローブックまで、本の種類は無数にあった。
「ったくシロアリみたく食い荒らして、しょうがねぇなアイツ」
 捲簾は舌打ちしながら言った。
「アイツって、天蓬さんのことですか? 」
「ああ、ここはアイツの部屋なんだ」
「綺麗なひとですよね」
「まぁな。顔はな。顔は」
 お互い表情を見ながら会話をしているわけではない。下を向いて、片付ける作業をしながら、言葉を交わしていた。
「……ん? これはなんです? 」
 八戒は本に埋もれるようにして倒れている等身大の老人の人形を見つけた。白人を模(かたど)ったもののようだった。白髪頭であごひげを生やし、手にステッキを持っている。白い背広を着て福々しく微笑んでいた。
「カーネル・サンダースだ」
「? 」
「天蓬のヤツが、下界の 『ふらいどちきん』 屋とかでみつけて失敬してきたらしい。ああ、もうそれはほっとけ」
 捲簾が片方の眉をつりあげた。正面から彼を見ると、額に捺された神秘的な印が輝いて印象的だった。それは神話上の神々がつけているチャクラを連想させる。
 短く切り揃えた黒髪に、颯爽とした身のこなし。実際、捲簾の立ち居振舞いは、鬼神といえどもこれを避けそうな凛々しさに満ちあふれていた。
「さてと。こんなモンか。おい、そっちをもってくれるか」
 ようやく、本棚を立てる場所を空けた捲簾が、八戒に声をかける。
「あ、はい」
「せぇの……と」
 ふたりがかりで、本棚に手をかけ、壁側へ立てかけようと力を込める。中身の本がふきとんで空とはいえ、それなりの重量があった。
「はー」
「手、離すぞ気をつけろ」
 なんとか元のように立てると、今度はそれを壁際へと移動した。
「こんなもんか。それじゃ今度は」
「はい」
 ひとつの本棚を無事設置し終えて、ほっとしたように八戒が捲簾の傍へと寄ってきた。
 そのときだった。
 八戒がうっかりと足元の本を踏みつけた。それは、薄い雑誌で、つるつるとした大判の本の上に置かれていた。
「! 」
 足場が悪かった。そのまま滑って、後ろ向きに転びそうになった。
「おっと! 」
 捲簾はすかさず、腕で八戒の躰を支えた。全て一瞬のできごとだった。
 その厚い胸板へ、八戒を抱きとめたのだ。



 「捲簾×八戒(2)」に続く