アルコール(1)

 夜、宿の部屋で、
 僕と三蔵と悟浄はみんなでお酒を飲んでいた―――はずだった。

「あっ……だ……め」
 悟浄にねっとりと胸をまさぐられ、乳首を舌で転がされる。くちゅ、と卑猥な音が立ち、ぞくぞくするような感覚が背筋まで、そしてそのもっと下まで……脚の付け根の奥、奥の粘膜まで伝わってしまう。手元のベッドシーツを思わず握りしめた。剥ぎ取られた服が傍らに無造作に落ちている。
「あああッ」
「胸、弱いねぇ八戒さんってば。じゃあこうすっと」
 ぺろり、と舌先で舐め上げられ、もう一方の乳首を指先で撫でられた。……いやらしい手つきだ。
「んッ……あっ……あ……やめ」
 思わず、仰け反りそうになって、背後から三蔵の腕に支えられた。カフスの嵌った耳たぶを舐められる。三蔵の整った唇と、銀のカフスの間に唾液がつたい淫らに光る。
「そんなにイイのか」
 低音の声は欲情に濡れてくぐもっている。三蔵の吐息が耳の中に入って……たまらない。
「あ……」
 「こんなに乳首、硬くしちゃって……反応いいじゃん」
悟浄が僕の胸の乳首を弄びながら、ささやく。悟浄の長い指先で、色のうっすらついた乳首を挟まれ、くにくに、といじられる。もう一方の乳首に再び舌を這わされて、……吸われる。ちゅぱ、ちゅぱ、いやらしい音が立った。
「はぁッ……」
 乳首を吸われている間も、背後からカフスの嵌った耳たぶを三蔵に舐めまわされていた。ぴちゃ、と舌が這う卑猥な音が大きく聞こえて、身体を震わせる。
 カフスと耳たぶの間を舌先でつつくように愛撫され、ぞくりと性器にまで甘い感覚が走り抜ける。
「あっあっあ……」
 4本の手と2枚の舌に追い詰められて喘いだ。ベッドの上で、男ふたりに挟まれるようにして犯されていた。逃げようとしても許してもらえない。
「やめ……て……くださ……い」
 あえぎ続けて、飲み込みそこねていた唾を飲み込んだ。ごくり、と喉が鳴るのがあさましい。まるで獣のようだ。
「お酒を……飲んでたじゃ……ない……ですか? もう……」
「まだ、しゃべる余裕があるのか」
 三蔵が背後から耳元でささやく。
「酒ぇ? まだあるぜ飲む?」
 ベッドサイドのテーブルへ悟浄が手を伸ばした。酒の入ったグラスを取り、鼻先へつきつけられる。
「ほら、八戒サン」
 僕は抵抗した。そのお酒を飲んでから、三蔵も悟浄も様子が変わってしまった。
「…………いやッ」
 悟浄は一度、その酒を口に含むと、くちづけてきた。苦いが、陶酔感のあるとろりとした味がくちいっぱいに広がる……と同時に悟浄の舌が口の中を這い回った。舌を探り出され、深く絡め合わされる。
「…………!」
 腰の奥を焼くような甘いとろけるようなキスだ。飲み込みきれない唾液が唇の端からあふれてしまう。濃厚すぎるくちづけにわなないていると、耳元でカフスを溶かすようにしていた三蔵の舌がさらに耳たぶの下の方を這い、そのうちあごへ、そして首筋へと降りてきた。
 びり、と肌を唇で吸われる感覚が走り抜ける。そのまま、いくつか立て続けに吸われ、舌で舐めまわされ、淫らな感覚に脳が痺れるようだ。
「…………ッ」
 あえぎたくとも、舌は悟浄に絡め取られている。腰が思わず震えてしまう。
「太ももがひくひくしてるぞ」
 背後から首筋を舐め上げていた三蔵がささやく。
「すげぇ感度いいな……酒入ってるからか? 」
 三蔵の手が後ろから僕の太ももを撫でた。
「……ッ! ぐ……ッ」
 舌を悟浄の舌に絡め取られたまま、悶絶して思わず腰を揺らした。快楽の電撃が、腰奥の淫らな神経まで揺り起こすような感覚が身体を走り抜ける。
「こっちも触って欲しいんだろうが」
 三蔵が低い声で笑う。後ろの孔に節の立った長い指の這う感覚があった。
「……ッ 八戒」
 悟浄がようやく唇を離した。舌と舌の間に銀色のとろりとした体液が橋をかける。
「やめて……本当にやめ……」
「どれどれ、ホント、やーらーしー」
 悟浄が僕の足をつかんだ。
「ひくひくしてやがる」
 三蔵がもう片方の足をつかんで背後から開こうとする。
「や……!」
 動いたことでバランスが崩れ、身体がずり落ち、三蔵の胡坐をかいた膝に頭を乗せる格好にさせられる。
 そのまま、男ふたりがかりで、仰向けに無理やり身体を押さえつけられた。脚を閉じさせまいと、前から後ろから手が伸びる。
「やめてください本当にやめて!」
 ぬる、と悟浄の舌がふとももを這う濡れた感触がした。そして
「はーい脚の力、抜いてくださーい」
「やで……す!」
 悟浄の腕がもの凄い力で僕の脚を押さえ込んでくる。大きく左右に広げさせられた。
「……やです! 見ないで。いやです」
 視姦されている。何もかもを男ふたりの前にさらけ出された。
「すっげぇ、ひくひくしてる、ココ」
「!」
 尻孔の周囲を指でひっぱって広げるようにして覗き込んでいた悟浄が、僕の下肢に顔を埋めるようにして、そして
「やめて! やめて下さいッ悟浄ッ」
 肉の環を舌が這う淫ら過ぎる感触が走った。ぴちゃっぴちゃっれろ、れろれろ……。卑猥な音が響く。
「お願いです! 悟浄ッ もういやで……」
 こんなところを親友に舐めすすられるなんて思わなかった。羞恥で頭が煮えそうになって叫び続けた。しかも、頭は三蔵の膝の上だ。三蔵にもこんな様子をつぶさに見られてしまっている。
「あ……!」
 悟浄の舌は、粘膜を押すようにして内部にまで入りこんできた。浅いところをつつくようにして蠢いている。悟浄の熱い舌の感触を襞の奥で感じて思わず身体を震わせた。
「あああッいやぁッいやですッ」
 ひどい淫楽におぼれそうになった。ひくひくと自分のが硬く張り詰めてゆくのを感じるけどもうどうしようもない。
「いいかげん、イヤイヤうるせぇ」
 僕の両腕を上から覆いかぶさるように押さえつけていた三蔵が呟いた。
「いやじゃねぇだろうが。わめくな。口、ふさいじまうぞ」
「さん……」
 自分の膝の上に載せていた僕の頭をやや腿の方へ押しやると、三蔵はその前をくつろげた。途端に、熱い怒張が飛び出してくる。
「くわえろ。ちゃんと舌使えよ」
 三蔵に言われた瞬間、尻孔に悟浄の舌が這う淫らな感覚が走って、叫びそうになった。でも、
「ぐ……!」
 唇に、三蔵の硬い性器を押しつけられる。無理やり唇を割られ、それは強引に僕の口の中へ入ってきた。先走りの塩辛い味が口中に広がる。ぴちぴちと張り詰め切った三蔵の肉冠の感触を唇で、口の中の粘膜で感じる。
「……そうだ。舌、這わせろ。そうだ」
 三蔵の声が上ずった。僕は三蔵の肉冠のぴっちりした感触を舌で味わっていた。
「んッ……」
 その間も、悟浄は僕の尻孔を舌で蕩かすように舐めている。口を三蔵の怒張で犯され、後ろの孔を悟浄にもてあそばれ続けている。目の前が涙でかすんだ。ひどい淫らな行為に耐え切れない。
「へたくそ……」
 三蔵の息が上がっている。吐息まじりの甘い声だ。
「でも、すげぇ舌の感触が気持ちイイ……」
「う……」
 三蔵は強引に僕の口を穿った。口の奥、喉までペニスが当たって、苦しい。涙がにじんだ。
「へたくそなとこがたまんねぇ」
 三蔵の声が、嗜虐的な色を帯びている。僕からは見えないけれど、その顔はきれいで冷たい笑いを浮かべているのだろう。
「ふぐっ……」
 れろ、れろ、ぴちゃぴちゃぬぷぬぷ……。悟浄に舐められている恥ずかしい孔は相変わらず、いやらしい音を立て続けている。粘膜が熱い、熱くて溶けそうだ。感じすぎて痙攣しだしているのが自分でも分かる。
「出すぞ、全部飲め」
「…………!」
 射精前の緊張が三蔵の怒張から、その上を這い脈を打つ血管のおののきから感じる。そして、
「…………ッ」
 びゅく、びゅく、びゅく。
「う…………」
 三蔵のを口に出されながら、僕は自分も前を弾けさせてしまっていた。尻が震えるのを止められない。射精してしまった。
 三蔵の青臭い精液の匂いが口中に広がり、鼻に抜ける。喉を鳴らして飲み込もうとした。最初、なんのえぐみも感じないとろとろとしたその体液は舌の上にひろがり、独特の塩気のある味を伝えてきた。
「ん…………」
 飲み下すと、とたんに喉にひっかかるようなえぐみを感じた。もう、身体の力が抜けてしまって自分を支えられない。腰から下が溶けてないみたいだった。
 気がつくと、悟浄が後孔を愛撫するのを止め、手を僕の脚の付け根にかけたまま、こちらを見ていた。達するさまを余すことなく見られてしまった。三蔵のモノを咥え、悟浄に尻を舐められてイッてしまったのを観察されていたのだ。
「や……ッ」
 はずかしい。はずかしさに身を焼いた。生きていけないほど恥ずかしかった。でも、
「吸い出せ」
 三蔵の言葉とともに、再び怒張が唇に押しつけられる。羞恥に浸っている暇も与えられない。欲望を吐き出して、やや硬度を失ってはいるものの、いまだに凶暴さを感じさせる。僕は諦めて口を少し開いた。
「ぐ……」
 尿道に残った残液も全て吸いだせと求められる。必死で口をすぼめて吸い出す。一番精液の濃いところが歯に、舌に、喉に絡まる。濃厚すぎる。
「舌が当たってくすぐってぇ」
 三蔵が眉根を寄せる。淫らな表情で僕を見てる。
「あ……」
 そのまま、気を失いそうになった。今日の自分はどこかおかしい。
「おいおい、だいじょーぶ?」
「ちょっと急ぎすぎたか」
「そーそ、アンタ、凶悪だモンやることが」
「バカいえ。そりゃてめぇだろうが」
「はいはい。セーエキ飲んだからコッチも飲む?」
 悟浄がまた、あの酒の入ったグラスを手にとった。今度は三蔵が受け取り、そして
「う……」
 また、口移しで飲ませられた。身体のどこかに火が点るような味だった。

――――どうして、こんなことになってしまったのだろう。
 ほんのついさっきまで、いつもどおりだったのに。
 悟浄が酒のビンを抱えて部屋に戻ってきたのがはじまりだった。
「なんか、珍しい酒なんだってよ」
 三蔵も呼んで、3人で部屋で飲んだ――――それが、どうしてこんなことになってしまったのだろう。


 悟浄がベッドに腰をかけた。ジーンズのジッパーを引き降ろす音が響く。
「すげぇ、顔が上気しちまってエロい。八戒。酒のせい? 」
 うつぶせで、這うような姿勢にされた、今度は悟浄の怒張を口元に突きつけられる。
「珍しいよね。八戒サンってば。酔ってる? 」
 僕は酔っているのだろうか、ボーっとして頭が回らないが、この状態を酔っているというのだろうか。
 最初、悟浄の持ってきた 「珍しい酒」 をひとくち口に含んで、おいしいと思い、そのまま飲んだ。
そのうち、顔がほてってきて、身体も熱くなってきて、仲間ふたりの自分を見る目つきが変わってきて――――。

「は……」
 諦めて、口を開いた。すかさず悟浄のものが入ってくる。
「ぐ……」
 苦しい。大きい。いいかげん連続で口でするのを求められて、あごが外れそうだ。口いっぱいに悟浄を頬張っていると、後ろに濡れた感覚が走った。
「ふぐ……」
 後ろの肉の環を、三蔵がローションを塗した指で穿ってきた。その優美な長い指で、わざと指を僕の腹側へ曲げている。そのまま肉筒を粘膜を前立腺をこすりあげられた。
「…………! 」
 悟浄を口にしたまま叫びそうになった。首を横に振ろうとして、悟浄の強い腕に阻まれる。
「あーあ。口から外れちゃうじゃん。だぁめ。そんなにさんぞが気持ちイイ? 」
「………! 」
 さっきは三蔵、次は悟浄の怒張を口いっぱいに頬張る。次々とオスを口で慰めることをきつく求められて体がもたない。
「だいぶ、いいがまだ、少し硬いな」
 前立腺を指で探すような動きを繰りかえしながら、三蔵が呟く。
「ふッ……ふッ……」
 ひくっひくっと恥知らずな肉の環が蠢くのが自分でも分かった。三蔵の指を飲み込んだまま、尻も震えてしまう。うつぶせで、口を悟浄に犯され、獣のように尻を三蔵へ差し出していた。
 恥ずかしかった。三蔵の指が増やされ、悟浄のものは口の中でますます硬くなった。びくびくと悟浄が自分の舌の上で跳ねるように蠢く。
「ふぐ……」
 三蔵に前立腺を的確な指先で擦り上げられ、太ももが震えた。腰の奥の淫らな神経にまでそれは伝わった。
「はぁ……」
「口、外すんじゃねぇって」
「ああ……」
 舌をねっとりと悟浄のに絡めた。そのまま横に食むようにして唇でしごく。
「は……すげ。だいぶ慣れたじゃん」
 悟浄の大きな手で頭をゆっくりと撫でられた。ぴちゃ、と僕は舌をさらに悟浄に絡めた。舌先で悟浄の先端の鈴口をつつく。僕の頭を抱く悟浄の手に力が入る。そのとき、背後から声をかけられた。
「だいぶ、柔らかくなったな」
 三蔵が低音の声でささやく。とろとろになった孔から指を引き抜かれた。
「じゃ、俺が先でいいな」
 言葉と同時に、三蔵の怒張が粘膜の入り口に宛がわれるのが分かった。ひくひくと震える尻孔に、三蔵の怒張の肉冠で、淫液――――先走りの体液が擦りつけられるのを感じる。ぬめったぬちゅぬちゅとした淫靡な音がする。
 そしてそのまま穿たれた。後背位で犬のように犯される。ずちゅ、ずちゅ、と肉をこじあけて、三蔵が入ってくる。
「ああッ……さん」
 いままで、舌を絡めていた悟浄の怒張を思わず口から外してしまった。顔にぴた、とくっつき先走りの体液と自分の唾液で顔が汚れるが、もうどうしようもない。何も考えられない。
「は……ッ……やッ」
 そのまま、ずっぷりと打ち込まれた。ぎっちりと奥まで三蔵で埋められる。腰を支えるように、三蔵の両手でつかまれた。
「どう、さんちゃん。八戒のナカ」
「すげぇ狭くて……イイ」
 背後で三蔵の上擦った声がする。尻を振っているのだろう。身体の中で、肉棒が粘膜をねっとりと擦り上げてくる。
「あああああッ」
 叫んだ。もう淫ら過ぎる性感に何もかもが打ち抜かれ、崩れ落ちた。
「あーあ。こっちがお留守なんだけど」
 悟浄があごを手で挟むようにしてつかんだ。そのまま、顔を上げさせられる。
「ふ、ふぐッ」
 また、口の中を悟浄でいっぱいにされた。
 前を悟浄に、後ろを三蔵に犯されている。
「どこがイイ。ここか?」
 三蔵が、さっき指で僕を追い詰めていたところと同じところをもっと太くて硬いもので突きまわしてくる。
「…………! 」
 悟浄の怒張に口を塞がれ、声も出せない。甘く淫らな感覚に、尻が思わず三蔵の動きに合わせて揺れてしまう。三蔵は腰を打ちつけ、僕の腰をつかんだ両手をひきつけるようにして、抽送を激しくしていった。
「お、すげぇ揺れる。振動がイイわ、コレ」
 がくがくと三蔵に揺さぶられる身体。それは僕が口で愛撫し、奉仕している悟浄にも伝わった。緩急をつけた三蔵の動きは、咥えているだけで口の中の悟浄にも蕩けるような感覚を与えていた。
 もう、たまらない。
「……てめぇ、そんなにカンジてんのか」
 三蔵の声に淫靡な笑いがにじんでる。僕は耳まで赤くなった。
「孔の中がねっとり絡みついてきたぞ。すげぇカンジてんだろが」
 僕は悟浄を咥えたまま、横に首を軽く振った。
 反抗は許さないとでもいうように、腰を捕らえていた三蔵の両手が、胸に這ってきた。我慢できたのはそこまでだった。
「ああッ」
 胸を這う三蔵の指に、両方の乳首を摘まれた。こりこりと優しく押しつぶすように、捏ねまわされる。
あっというまに、尖って硬くなってしまう。
 快感が腰奥に伝わり我慢できずに腰をくねらせていると、すかさず、前立腺を三蔵の怒張で容赦なく抉られた。
「ひぃッあああああああッ」
 生理的な現象なのか、もう涙が止まらない。瞬間、勢いで口の中の悟浄のモノが外れ、僕の舌はちょうど、悟浄の裏筋を――――いちばん敏感なところをきつく舐め上げるような動きをしてしまった。
「!」
 ベッドに腰かけて僕の口を犯していた悟浄は前かがみになった。そして、
「八戒ッ」
 白い悟浄の体液が口の中に放出される。脈拍を打つのと同じような間隔で、何回もその淫水は吐き出された。
「う……」
 大量で飲みきれない。むせた。飲みきれない精液が唇から垂れ落ちるがどうしようもない。量が三蔵より多くて、とろみが薄い気がする。
「…………く」
 背後で三蔵が呻く声がした。
「すげぇ……締まる」
 全身が震えていた。ひくんひくんとある意味限界を超えていた身体は緊張と弛緩を繰り返して、三蔵を締め上げていた。悟浄のを口に出されて、僕は思いのほか興奮してしまっていたらしい。
「イッたのか」
 三蔵が身体の上で笑う。僕を獣の姿勢で犯しながら笑う。
「どうだ、悟浄の精液の味は。俺と違うか」
 達して、痙攣している身体を三蔵は容赦なく穿った。ぶほ、ぶほっ……三蔵の先走りと混じって、尻孔は卑猥な音を立てている。三蔵の肉棒で捏ねまわされ、蕩けきっていた。
「こうやって抜くときがイイんだな」
「ああッああッ」
 飲みきれない悟浄の精液が喉を伝うが拭う余裕などなかった。三蔵に突きまわされる。
「やめてぇ……やめて……」
「うそつけ。イイんだろうが」
「くぅッ……ッ」
 全身が朱に染まってしまう。貫かれて、快楽の閾値に達してしまい、僕は痙攣した。連動して、三蔵を受け入れている肉筒も引き絞るように締めてしまう。
 ナカいっぱいにぎっちりと埋まった三蔵の怒張を、ぎゅ、ぎゅっ、ぎゅっと容を確かめるように粘膜で締め上げる。
「…………ッ!」
 三蔵が唸った。快楽を逃がそうとして失敗したようだ。ぶるっと自分の身体の上で、その身体を震わせている。
「あ……ん」
 その内、肉筒いっぱいに、三蔵の白い体液が広がる熱い感覚に満たされた。何度も腰をつかまれ、その度に中に出される。
「あああッ」
 出される精液の感触にもとろけるように感じてしまう。僕はまるで獣のようにひたすら身体を震わせていた。





「アルコール(2)」に続く