第二十四夜「幸福の行方」



 天根優が、病室から消失した。

 昨日温が訪れた際には、意識不明のままだった優。自分で目覚めて失踪したのか、それとも何者かに誘拐されたのか?
 美咲かなえは項垂れる温の隣りで、楽園の教典に目を通していた。何度も何度も繰り返し読んでいるのでボロボロになっているそれは、開く度美咲と楽園の絆を強めてくれる。大好きというわけではないが、暇つぶしに、叱られた時に、もうそらで言えるくらいには内容を十分把握している。
 他の花嫁候補のいる前で、ふらふらした足取りでやってきた温は美咲と対峙すると、やつれた表情を柔らかい身体に押しつけて、疲れた。そう小さな声で呟いたのだった。他の信者は気を利かせて、美咲と温を二人きりにしてくれた。やましい感情はお互いの中に微塵もないと誓えるけれど、神津を含めて三人は家族のような関係だったから、ありがたい。
「幸福の行方について」
「俺はその項、嫌いだよ…」
「じゃあ、おしまい」
 手持ちぶさただったので、何となく読んでいただけだ。ソファーに並んで座っていると、二人ぼっちが居心地良くて、なんだか温かい気がした。
「…何も聞かないのか?」
「私のこと好き?」
「かなえが好きなのは王崎だろ。神津が好きなのも、丈太郎が好きなのもみんな、あいつだ」
 その拗ねた返事に、思わず美咲は吹き出してしまう。
「昔は仁、って呼んでたくせに。温くんが先に距離を取ったんだよ、私たちに」
「………そう、だな。こんな時になってよりかかろうとするのは、都合のいい話だ」
「そういう意味で言ったんじゃない。私は…ずっと温くんのこと心配だった。仁くんも、二人とも最近様子がおかしかったから、同じ学校に通えるように頼んだの。でも…そしたら温くん、学校に来なくなっちゃって……私のこと、避けて」
 美咲は泣きそうになってしまったので、口をつぐんだ。結局、あの転校は混乱を招いただけだったのだろうか?神津も、もういなくなってしまった。だが、温はまだここにいるから…だから、できることがあるなら。
「かなえが学校に来たのは、王崎の顔が見たいからだと思っていた。俺も神津も、楽園の人間であることを隠していたし…」
「……………」
「丈太郎がどんどん王崎に惹かれているのを間近で見ていたら、平静ではいられなくなってた。俺がかなえに会いたくなかったのは、そんな自分を知られたくなかったからだ」
「どうして?」
「情けないし、恥ずかしいだろう。身内にそんな姿を見られるのは」
「…それって自分は元々格好いい、と思ってるから言えるセリフだよね?」
 少し意地悪な質問になったのは、避けられていたのが本当に当時はショックだったから。近くに来たつもりが、逆に遠くなってしまったような…そんな空気に、美咲は本当に寂しさを抱いていた。
「王崎には負けるかもしれないが、自分ではそれなりに悪くない顔だと自負している」
「ふ…ふふっ、アハハ!そ、そうだね…ふふ……」
 そんな理由だなんて、美咲には思いもつかなかったのだ。おかしい。一人で悩んで馬鹿みたい。…こんな種明かしひとつで簡単に、元気になってしまう。最近は色々ありすぎて、こんなに笑うことは久しぶり。そう考えると、もう、楽しくて楽しくてたまらない気持ちになった。
「笑いすぎだろ。ツッコミを入れるとかフォローを入れるとか、色々返し方もあるだろうが」
「う、ううん…私も、そ、その意見には賛成だからっ…」
「……………」
「私、王崎くんの顔、直視できないもん。ドキドキするから。…結局、ずっとその距離のまま離れちゃった。こういうの、恋に恋してたっていうのかなあ?私たち、お互いを好きになれたらよかったのに」
「よせよ」
「…温くんに、私を見てほしいなんて思わないよ。私と同じものを見ていてくれたら、嬉しいなって思うだけ」
「何が見えるっていうんだよ。かなえには」
 美咲は隣りの冷たい手を力強く握りしめ、笑った。幸福の行方、という言葉はどうやら嫌いなようだから、心の中に留めておく。
「これから、温くんはどうしたい?」
「少し休みたい。什宝会のことは大人に任せて…今の俺には、そういう安らぎが必要だと思うから。何も、考えたくないんだ」
「じゃあ私、温くんの安らぎになる」
「そんなことを俺に言うのは、勿体ない」
「照れなくていいの。貰えるものは貰っておくのも、懐の広さでしょ」 
 強く握り返された手のひらに、美咲はゆっくりと温の顔に視線を合わせる。温は、めったに見せてくれなくなった柔らかな微笑みを浮かべていた。神津も、二人とも、不器用な男同士だった。
「かなえ…。ありがとう」
 ずっと長い間気を張って、一人で何かに戦っていたような気がする。温はそんなことを考えながら、眼鏡を外す。柔らかい身体にもたれかかると、何故だか涙が静かに零れていった…。


   ***


 丈太郎たちが向かう現場は、車で二時間ほどかかる距離とのことだった。
 同年代ということもあって、新尾は気軽に話しかけてきてくれる。おかげで、丈太郎も話しやすかった。矢代の死後は、什宝会の人間にどちらかというと疎まれていたのが、今はあまりそんな壁は感じない。
「御堂って、愛染の影響力がそんなに強くなさそうだな。俺も数人しか知らないけど、一番ニュートラルって感じ。大体、愛染と自分の間で葛藤みたいなのがあって、皆おかしくなっちゃうんだよ。自殺したり…矢代さんだって……」
「やめてよ、そんな話。新尾さん。演技でもない。御堂は僕が守ってみせる」
 誰が相手でも、丈太郎が出会った時からずっと、正純の一本気な調子は変わらない。
「ケッ…」
 犬上が面白くなさそうに、舌打ちをする。ミラー越しに睨まれた気がして、丈太郎は苦笑いを浮かべた。
(…俺、他人の恋路を邪魔するつもりはないんだけどな)
 応援するのか、と問われればそれもまた答えに困る。静観が一番、心境的には近い。
「俺なら大丈夫。ありがとう、白鳥」
 大体、正純を守りたい気持ちが強いのは、丈太郎だって同じなのだ。矢代に、周防に託された大事な相棒。この少年の未来を守る為ならば、きっと何だってできる。したいと思う。
「御堂。…それって、僕の力は必要ないって言ってるみたいで、すっごく面白くないお礼の言い方だよ?」
「あらあら、お年頃だねえ。白鳥は…」
「新尾さん!」
 新尾は肩を竦めて、そんな正純の抗議をさらりとかわす。
「清〜。清も、俺が危なくなったらた・す・け・て・ね?」
「危なくなったらな!!」
 つっけんどんな返答なのに愛情がこもっているように感じられ、丈太郎は笑いを堪えた。付き合ってみればそれぞれに、個性があって面白い仲間たちなのかもしれない。そんな風に考える余裕も感情すらも、以前は浮かんでこなかったけれど。
「で、愛染の話に戻るんだけど」
「戻るんだ…」
 げんなりと返事をしたのは、正純だ。その反応にちょっと嬉しくなってしまったあたり、頭が平和だと丈太郎は思うのだった。
「だって興味あるし。愛染は特別だからな。その呪いも、強さも、俺らの武器とは桁違いでしょ。今もどうもないわけ?矢代さんにこんなこと、聞けるような雰囲気じゃなかったしなあ。悪いけど、俺は興味津々だよ」
 同年代の気安さ、というのは確かにあるだろう。矢代の傍にいるのは丈太郎にとってとても居心地が良かったけれど、それは多分きっと他の人間に当て嵌まらない。
「割と平気です…。時折、手がピリピリ痺れるくらいで。多分、俺、そういう耐性は結構、あるのかもしれないし」
「へえ〜、どうして?」
「そうですね…。上手く説明できるかどうかわからないんですけど、そういう…何だろう、気持ち悪いものとか、おかしなものを気にしないようにする、というか。見ないふりして、相手にしないのは得意なんです。割と」 
「ふうん、そうなんだ。何かコツでもあるの?」
「コツっていうか、単に習慣みたいなもので…」
 そんなことをいちいち気にしていたら、多分今生きていないだろう。丈太郎が生まれたのは、白い世界の中だった。それは清らかとは程遠い、どぎついほどの白い色。気がついたら六歳くらいで、それ以前の過去の記憶は、きれいさっぱり憶えていない。
 真眼として成功するよう、実験ばかりされていたようだから、自我が目覚めるのが遅れたのだろうか?もしかしたらただ忘れてしまっただけで、自分にも積み重ねてきた六年はあるのかもしれない。でもそんな過去のことなんて、丈太郎にはどうでもいい話だった。興味がなかった。どうせそんなところに、自分の欲しいものなんて、望んでいるものなんて何一つないだろうから。…本当のところ今は少し、どうやって生まれてきたのかは興味がある。誰かに望まれて、この世に生まれてきたのかどうか。
「それって誘導尋問なんじゃないの?御堂もいちいち、真面目に答えなくていいよ」
「過保護な相棒だねえ、白鳥は。自由に会話もできないなんて」
「う…」
「白鳥、大丈夫だから」
 くすぐったいような気持ちで、丈太郎はそう隣りの少年に笑いかける。丈太郎に兄弟はいないが、弟がいたら、こんな感じなのだろうか。そんな想像は、ひどく楽しい。
(俺、ブラコンになりそうだな。白鳥みたいな弟がいたら)
 そっぽを向いた正純は、年相応で微笑ましい。
「…わかりました。もう黙ってます」
「什宝会って、男ばかりだろ?それってさ、一応理由があるんだよ。昔は女性もいたんだけど、ある女性をめぐって数人の男が取り合いっていうか…揉めちゃってね。で、どうなったと思う?自分の想いが叶わなかった男の一人が、三人の男と、その女性を殺しちゃったんだ。君の持ってる愛染で」
「………」
「それ以来、什宝会に女性は入れないことになってる」
「そんなことがあったんですか」
 丈太郎が抱いた感想は、そんな短いものだった。
「御堂が気にすることじゃないよ。新尾さん、さっきから一体何なの?もう」
 明らかに丈太郎よりも気分を害したらしい正純が、舌の根も乾かぬうちに口を挟む。
「俺はお互いのことを、もっとよく知り合いたいという気持ちでだな」
「あ、そうだ。聞いてみたいこと、俺もあったんですけど。皆さんは、どうやって什宝会に入ったんですか?」
「什宝会の人間は、大抵事件絡みでここに入会してる。俺らみたいな若い世代は。…大人はもっと沢山いたけど…」
「現実的じゃねえよな。もう、数えられるくらいの人数しかいねえ」
「どうして…」
「理由は色々だよ。俺たちはね、基本的に什宝会にとって使い捨てなんだ」
「捨てられないように、必死でしがみついてんだよ。こんなところでも、居場所には変わりないからな」
 車内はそれきり、しんと沈黙してしまった。
(什宝会にいるのと、楽園にいるのとでは、どちらが王崎にとって安全なんだろう。
 俺の目の届くところにいてくれて、勝手な心象としては什宝会側についていてほしいけど…。そんなのは、勝手な希望だ)
「いたっ」
「ど、どうしたの?いきなり大声出して」
「………あ、いや。気にしないでくれ」
 右手の牽制と相棒の問いかけに、複雑な表情で丈太郎は苦笑いするのだった…。

 一方、その頃。王崎は分厚い本を何冊もめくりながら、芳しくない成果に溜息をつく。
 丈太郎の気持ちは、確認した。嬉しかった。それでも色んな不安要素を除くまで、まだ浮かれるわけにはいかないのだ。神津はもしかしたら、王崎がもっと早く行動に出ていれば、あんなことにはならなかったかもしれない。傍にいるのが当たり前だとおごって、神津の真意を探ろうとなんてしなかった。今ではそれを、王崎は後悔している。
 神津に抱いていた感情は、限りなく愛情に近い友情だった。丈太郎に対しては、愛と呼べるほどまだ深くない、恋心。今度こそは。丈太郎を、二人の関係を進展させたい。
「安生さん、お願いがあります」
「いいよ。何でも聞くよ」
 ここのところ、信之介はすっかり王崎の世話係と化している。王崎自身は、和ノ宮邸を出てはいけないものの、他に厳しい束縛があるわけではない。客人扱いのようで違うような、微妙な立場だ。
 通常業務はいいのかと一度尋ねたら、君が最優先事項なんだと答えられた。楽園にとっての自分の重要性は王崎も理解しているので、監視という名の保護が必要なのだろう。
「オレを御堂のところに、連れて行ってください。皆さんの邪魔はしませんから。…安生さんは、笑うかもしれませんけど。御堂のことを知りたいんです。オレはもっと、もっと御堂の近くに行きたい」
「…王崎くん。君は、丈太郎くんを幸せにしてくれるかい?」
「どうして安生さんは、そんなに御堂に拘ってるんですか?オレの、ライバルなんでしょうか」
 疑り深いその視線に、安生は柔らかく微笑んで首を横に振る。
「オレは、彼の幸せを見届けなければいけない」
「何故?」
「ある人と、約束したからだよ。オレはずっと、丈太郎くんを探していた」
「約束って…一体、誰と」
 その口調は、どうやら温のことではなさそうだ。ひとつひとつのことに決着がつけられたら、温の願いを王崎は叶える義務がある。できれば、早いうちに。
「それは、話せないんだけど…。王崎くんが丈太郎くんの幸せと共にあるというなら、オレはそれに協力するよ」
「あなたがオレを殺そうとしたことを、オレは忘れたわけじゃない」
「あれは殺意ではなく、自己防衛の手段の一つだ。ごめんね。乱暴だった…気の済むまで、何度だって謝るから」
「……………」
 考えが、どうも読めない。ただ一つわかるとすれば、信之介はどうやら本気で、丈太郎の幸福を願っているらしい、ということくらいだろうか。
「彼の存在はジョーカーなんだよ。そしてそのカードを引く為に、君が必要だと上の人間は考えている。オレも同意見だ。だから什宝会は、丈太郎くんをある程度泳がせている。彼には他の人間と違って、締めつけが厳しくない」
「ジョーカー?」
「そう。最後の切り札であり、最強のカードなんだ。丈太郎くんは」
「御堂に何を、させる気なんだ。…什宝会は」
「什宝会がやらせるわけじゃない。丈太郎くんが、きっと答えを見つけてくれると、オレたちは信じている」
「物は言い様だな」
 どういう訳か、丈太郎は什宝会にとって都合の良い人物であるらしい。王崎は勝手に、そう推測する。短い間だが、王崎自身が楽園にとって、そういう扱いであったように。そんな風に感じた。
 馴染んでいるようで、どこかはみだした存在。もしかしたらそれは什宝会だけでなく、学校にいた時もそうだったかもしれない。その違和感が、いつも目に留まっていた。気になっていた…。お互いに似ている?だから、惹かれ合ったのだろうか。そんなこと、今まで思いつきもしなかったけれど。
「王崎くんは、それを導く役目をおってる。頼んだよ」
「それってオレに、ドラマティックな死に方を望んでいると解釈すればいいですか?」
 遠回しな表現はどうも、苦手だ。そんな未来はクソ食らえで、王崎は整った表情を険しくさせる。返答次第では、この男とは距離を置くべきだろう。
「まさか、とんでもないね。物語は絶対に、ハッピーエンドでなければならない。オレが見たいのは、幸福の行方だ」
 キャロライン・マークUへ乗り込みながら、信之介はまた独特の物言いをする。もう王崎も、つっこみを入れるのは止めにした。
 助手席に腰を沈め、不意に誰かに呼ばれた気がして、辺りを見渡す。誰かというより、それは聞き間違いでなければ、意識不明で寝たきりの弟・優の声だった…。仲が悪いし疎遠だとはいえ、お互い二人きりの兄弟。勿論王崎だって、その身体を案じてはいたのだ。
『優!?意識を取り戻したのか…?』
 王崎は自分の意識を、どこか漂うような儚げな声音へ向ける。
『…た…す、け、て……』
『優?』
『たすけて、たすけて、たすけて、誰か……―――――』

 ボ ク を み つ け て

「優!」
 立ち上がろうとして、王崎は思いきり車の天井に頭をぶつけてしまう。
「…危ないから、シートベルトは締めようか」
 真っ直ぐ前を向いたまま、心なしかスピードを上げ気味で信之介はそう注意をした。
 もう、優の声は王崎に届かなくなった。理由のつかない焦燥に、王崎は自分を落ち着かせようと吐息をつく。
「……………」
「君の弟に何かあったかね?」
「……………」
「実は昨日伏見温から、天根優が病室から居なくなり、行方不明だという連絡を受けた」
「!」
「しっかり掴まって。少し急ごう」
 涼しい表情からは想像もつかないようなスピードを出し始めた運転手に、投げかけたかった質問を飲み込んで王崎は気丈に叫び声を上げた。
「少しってレベルじゃないだろう!?危なっ、わっ」
「大丈夫オレの運転する車は事故らない。オレはそう信じているし、今までもこれからもそうであると誓うね!」
「一体どこからそんな自信…ちょっ……や、やめ…あ!わかった!!」
 おそろしい考えが浮かんだ。あまり知りたくないことの一つだが、王崎はとんでもないことに気づいてしまった…。
「キャロライン・マーク初代号は、アンタが事故で壊したんだろう…!?…うっ、うわああああああ!ぶつかるっ!」
 いきなり右に振りきられ、王崎は思いきり頭を窓にぶつける。痛いと思うよりも先に、ある種感じたことのない恐怖に鳥肌が立っている。しっかり掴まってね、と暴走とは裏腹に穏やかな忠告。
「王崎くん君恐怖のあまりキャラ崩壊してないかい、面白いからいいけど」
 ジェットコースターに乗った男女は愛が深まるなんて、きっと嘘。お互いの溝は、間違いなく更に深くなった。長いようで短かった時間は、王崎には地獄のように感じた。こんな扱いを受けたのは、生まれて初めてだ。吐き気を必死で堪えつつ、隣りの男はどうして平然としているんだろうということに対して怒りが込み上げてくるも、何も喋る気になれず、ぐったりと膝を抱える。
「ほら、顔を上げなさい。丈太郎くんだ」
「……あ」
 王崎が目を開くと、湾岸沿いに倉庫が建ち並んでいる。少し先に停められた車から、丈太郎たちが歩いていくのが見えた。どことなく浮かない表情に、王崎の胸は痛む。あの滅茶苦茶な運転のおかげで、どうにかあまり時差もなく追いついたらしい。
「王崎くんは、人が死ぬところを見たことがあるかい?死に耐性がないと、…あったとしても、結構きついかもしれない」
「あるわけないでしょう。そんなもの…」
 王崎の憮然とした返答に、信之介は笑うだけだった。
「今日の現場は、レベル7。オレたちは邪魔をせず、無事に戻ることが最優先だ。いいね」
「レベル7?」
「全部でレベル10まである」
 もっともその言葉の意味を、王崎はすぐに体感する羽目になる。


  2008.04.21


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