結婚式にまつわる五つの話。

お礼小話その1・DQX。
ルビア 「お父さん、お母さん。お父さんたちがどんな結婚式を挙げたのか教えてくれる?」
ビアンカ「え? 急になあに、この子ったら」
ルビア 「あのね、今日ね、街の教会で結婚式を挙げてるところ見たの。花嫁さん、すごく幸せそうだったから……お父さんとお母さんも結婚する時そんな風に幸せだったら嬉しいな、って思って」
アディム「ルビア……」
ビアンカ「ふふふ、そうね……幸せだったわよ。真っ白い花嫁衣裳を着て、シルクのヴェールをまとって。街中の人の祝福の声の中、お父さんと一緒にバージンロードを歩いてね……」
アディム「ルドマンさんなぜか僕の衣装用意してくれなくて、僕はいつもの貫頭衣にターバンのままだったんだけどね。ビアンカがめかしこんでたから恥ずかしかったなぁ。あとでヘンリーにも言われたよ」
ビアンカ「……あなたね。よけいなこと思い出さないでくれない?」
アディム「ご、ごめん」
ビアンカ「あなたっていっつもそうよね……デリカシーってものがないのよ。誓いのキスをする時だって、私がドキドキしながら待ってるのに迷うし尻込みするし」
アディム「いや、その、あれは恥ずかしくて……」
ビアンカ「なに、私とキスするのがそんなに恥ずかしいっていうの? 私だって乙女だからすごく恥ずかしかったのに!」
アディム「いや、その、ごめん……」
ビアンカ「だいたいあなたって人は、なに? 子供に対してはすごく愛情豊かだけど私に対してはそこらの家具と同じようにしか思ってないんじゃないの? 私は毎日毎日頑張って帳簿付けしてるってのに、たまにはプレゼントのひとつもあげようとかいう心はないわけ? 私を子供たちの母親としか見てないんじゃないの!?」
アディム「いや、その、そんなことは決して………」

セデル 「あれー、ルビア、そんなところでどうしたの?」
ルビア 「……夫婦って、難しいのね……って、考えてるところ」
セデル 「?」


アディム、なにげに恐妻家です。


お礼小話その2・ガンパレ。
滝川 「………………(そわそわそわそわ)」
速水 「陽平。少しは落ち着いたら?」
滝川 「だってよ……結婚式なんだぜ、結婚式。この俺が舞と結婚しちゃうんだぜ? なんつうか……いいのかなって思っちゃわねぇ?」
速水 「なんなら僕が代わってあげようか?」
滝川 「ダメッ、絶対ダメッ! 舞とは俺が結婚するんだからなっ!(必死に)」
速水 「(笑って)それじゃあ覚悟決めなくちゃ。君がしっかりしなくちゃ舞が不安になっちゃうよ。ね?」
滝川 「うん……そうだよな……」
森  「滝川くん……じゃない、陽平くん。芝村さん、準備ができました」
速水 「ほら、行っておいで! 花嫁に見とれて転ぶんじゃないよ!」
滝川 「わ、わかってるっ!」

速水 「……と言ったくせにね、会場に出てきた時も陽平は舞の方ばっかり見てて、ホントに転んじゃったんだよ。タキシード姿で」
大河 「ふえー……」
ひなた「それから? それから?」
速水 「それからね、もーかちんこちんになって見るも哀れに固まりながらね、唐突に立ち上がってね……」
滝川 「速水ぃぃぃ! あることないこと喋ってんじゃねぇぇぇ!」


「あることないことなんて失礼だな、ないことは三割ぐらいしか喋ってないよ」という速水の主張に滝川は拳で答えましたとさ。


お礼小話その3・シスプリ。。
咲耶「私はやっぱりバチカンね。世界の王と女王がローマ法王を神父役に、世界中の人に見守られながら結婚するの。あんまり何度もお色直ししても落ち着く暇がないから、お色直しは十回ぐらいにしておこうと思うのよね」
春歌「わたくしはやはり神前結婚式がいいですわ。伊勢神宮の本殿で、十二単をまとったわたくしと束帯姿の兄君さまが、神と神主に見守られながら結婚するのです。十二単は着るのに時間がかかるので、お色直しは五回程度になってしまうでしょうね」
雛子「えー、ヒナお色直しは二十回ぐらいしたい! それでね、それでね、可愛いウェディングドレスいっぱい着るの!」
兄一「……お前らはいったい何を話し合ってるんだ?」
衛 「え? えっとね……」
可憐「お兄ちゃんとの結婚式をどういう風にするかって話」
兄一「(げっそりとして)……俺はそんな何度もお色直しするの嫌だからな」
妹達『え?(キラーン)』
兄一「な……なんだよ?」
妹達『(駆け寄って)お兄ちゃん(以下略)、とうとう可憐(以下略)と結婚してくれる気になったのね(語尾変化略)!』
兄一「わーっ!」


「言葉のあやだ、言葉のあや!」と兄は怒りましたが、ちょっとだけ嬉しそうでした。


お礼小話その4・DQ[。
ゼシカ 「ミーティア姫……きれい……(うっとり)」
ヤンガス「兄貴……ご立派でがすよ……(男泣き)」
ククール「………ミーティア姫がきれいなのもユルトが立派なのも認めてやるけどな。なんだよあのブライド・メイド」
ゼシカ 「あら、可愛いじゃないの?」
ククール「どこがだ! なんでトロデ王が天使の扮装してやってんだよ!? 花嫁の父親だろ!?」
ゼシカ 「なんでも『ミーティアと共に結婚式場に入るのがわしの夢だったのじゃ!』っていうトロデ王の主張と『トロデ王が天使の扮装したらすごい可愛いと思うんですよねー』っていうユルトの主張が合致した結果らしいわよ」
ククール「あいつは……んっとにこんな時までアホなことを………!」
ユルト 「ククールー! ヤンガスー! ゼシカー! 話してないでちゃんとこっち見てよー!」
ククール「結婚式の本番で客席に話しかけるんじゃないこのドアホー!」


なぜかククールだけ「静粛に!」と注意されました。(不公平だー! Byククール)


お礼小話その5・九龍。
八千穂「親戚のお姉さんがこの前結婚したんだってー! あたしも見に行きたかったなぁ……」
皆守 「馬鹿か。結婚式なんてこの世で最もくだらない行事の一つじゃないか。女ってのは本当にどうしようもないな」
八千穂「そういう言い方はないでしょー!? 結婚式はやっぱり女の子の夢なんだから! ね、九チャンはどう思う?」
九龍 「え、結婚式? うーん、正直いい思い出ないなー」
八千穂「え……そうなの?」
九龍 「うん。親父の結婚式の料理徹夜で作らされたあげくばっくれられたり親父が結婚式ダブルブッキングした言い訳を俺に任されたり親父の結婚式の最中に花嫁はじめ参列者たちがいっせいに襲いかかってきたみたいな記憶しかない」
八千穂「………えーと、九チャンのお父さんって……何者………?」
九龍 「俺と同じ宝探し屋」


その頃地中海で九龍の父親がくしゃみをしていたかどうかは不明です。


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