「こしょうはもうたくさん」スープ


 扉は、すぐ広い台所に通じていて、そこはもうもうたる煙で、端から端まで燻っています。公爵夫人は、中央の三脚椅子に坐って、赤ん坊をあやしておられました。料理人が一人かまどの上にかがみ込んで、スープのいっぱい入っているらしい大なべをかき混ぜています。「スープにこしょうを入れすぎよ」アリスは、こしょうの混じった煙にむせて、こう独り言を言うのが精一杯。


皮をむいて4つ割りにしたじゃがいも…570グラム
刻んだ玉ねぎ…大3個分
澄んだスープストック、または塩水…1700cc
ぴりぴりしたこしょうの代わりに、クレソンのみじん切り…2束分
ひきたてのこしょう…少々
塩…少々
生クリーム…140cc




1、じゃがいもと玉ねぎを、スープストックと共になべに入れ、充分柔らかくなるまで煮よう。

2、柔らかくなったじゃがいもと玉ねぎを裏ごししてから、なべに戻す。

3、スープが煮立ってくるまで煮る。

4、クレソンのみじん切りを少し飾り用にとっておき、残りを3に加え、さらに15分ほど煮る。

5、ひきたてのこしょうをたっぷり使って味をつけるのだけれど、あまり入れすぎないように。

6、好みの塩味をつける。

7、熱いスープを食卓に出したかったら、ここで生クリームを加えて、ゆっくり混ぜよう。

8、冷たいのを出したいなら、食卓へ出す寸前に生クリームをかけよう。

9、みじん切りにしたクレソンを散らす。




『アリスの国の不思議なお料理』ジョン・フィッシャー 開高道子訳 より。



まずい!あえていうなら青汁に生クリーム加えてごまかしつつ飲むようなかんじ。