火車

 葬式の時、にわかに大風雨が起こり、葬列の人々を倒すほど激しくなって、かついでいる棺桶を吹き飛ばし、棺の蓋までとってしまうことがある。
 これを「火車に憑かれた」といって、大いに恐れまた恥とした。



『妖怪画談』水木しげる より