こちらは新宿歌舞伎町パラレルになります
(設定について)
悟浄:ホストクラブ経営
三蔵:風俗店のケツ持ち(ヤクザ)
ニィ健一:風俗店経営。
清一色:クラブ経営及び人身売買市のまとめ役
八戒:ほとんど性奴隷。
注)
以上の設定を「げっ」と思われた方はお読みにならないことをおすすめします。 また、本文中、多少SM的表現があります。お嫌いな方も読むのをお止め下さい。 全然大丈夫むしろ鬼畜万歳な方は本文をスクロールしてご覧下さい。
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「これはこれはおそろいで」
清一色が悟浄と三蔵に会釈した。
場所は歌舞伎町、清の経営する中国人クラブである。
「見せたいものがあるんだってね。オレに。珍しいじゃん。なによ? 」
「ええ、今日は 『市』 が立つ日ですカラ」
悟浄は首をかしげた。清一色の店で立つ 『市』 と言えば借金のカタに売り飛ばされる女の市だ。
消費者金融、闇金融、ホストクラブでツケの溜まった客……。そんなのばかりだ。彼女らは追い詰められたあげく、非合法に買われ、売られて行く。
「ねぇ、声かけるヤツ間違ってない?俺が経営してんのホストクラブなんだけど……」
「いえいえ、今日は少々訳ありでシテ」
「おや、おたくらも来たの。珍しいね」
風俗店経営のニィ健一が片眉を釣り上げて振り返った。既に店のラウンジのソファに腰掛けている。
「おやおや、玄奘さんも一緒とはね。ケツ持ちと一緒とは穏やかじゃないねぇ」
三蔵は返事もしない。悟浄と一緒に隣りのソファに腰掛ける。
「うちの店のケツ持ってもらってんの、三蔵だからね。いや、今日は妙だなって感じてさ」
ニィも首をかしげた。三蔵、いや自店担当のヤクザを同行してくる悟浄の用心深さにではない。ホストクラブのオーナーは本来参加する必要性がないのだ。
そのうち店は買い手である風俗店オーナー達と仲介業者である闇金融業者でいっぱいになってきた。
「さて、やっとショウタイムか」
連れ出されてきた女達は皆上半身裸だ。中年に差し掛かった女も若いのも、腹に油性マジックで数字が振られ、その横に金額が書いてある。
数字は入札の通し番号。金額は彼女の闇金融での借金総額である。
「うーん。今日はいいのいないねぇ」
ニィは頭を掻いた。
風俗店の経営者はこうして裏の世界で買った女たちを本番要員として用意している。
彼女等の借金を清算するかわりに、店で本番営業を行わせるのだ。だいたい、店に2、3人もいればよい。あまりに多数の女の子が本番要員だと簡単に警察の手入れを喰らってしまう。かといって全くいないと客の需要に応えられない。
「まぁ、バランスってやつがこの経営、いつでも一番難しいんだけれどねぇ」
指名のための紙を空欄のまま握り潰しながらニィは独りごちた。
一見、悲惨な状況にもかかわらず、結構場の雰囲気は乾いて淡々としている。『市』 に引き出されてきた女達の態度もあっけらかんとしたものだ。
「もう、これで終わり? 」
悟浄が頭を掻きながら言う。
「俺ら呼んだ理由がわからねぇ。三蔵、無駄足踏ませて悪かった。出るか」
無言のまま、目で同意する三蔵を伴って悟浄が席を立とうとしたその時。
「お待ちになってくだサイ。もう一件 『市』 が――――」
清が引き止めに来た。
「へ? だって終わりでしょ」
「いえいえ、もう一件。実は……」
清が悟浄とニィに何事かを囁く。
「……あのねぇ。二丁目のウリセンじゃあるまいし、俺が経営してるのホストクラブだって何度言ったら」
「なんて言われたんだ」
三蔵が悟浄に思わず訊いた。
「男なんだってよ、これから売られんの。おいおい、商売にならねぇよ。帰っワ、俺。男なんざ冗談じゃねぇよ」
ニィが呆れたように悟浄の代わりに答える。
そのとき。
「皆様お待たせいたしました。今日最高のネタをご紹介致します」
その時。店の照明が一段落ちた。
店の奥からラウンジに引き出されてきたのは、若い黒髪の男だった。
首に黒革の首輪らしきものを嵌められている、両手首にも黒革の手枷に鎖がついたものを着用させられ、後ろ手に縛られている。上半身は裸で、下にはジーンズを着けていた。
悟浄は隣りでニィが唾を飲むのが良く分かった。
もの凄い美貌だ。
人間とは思えないほど整っている。
こころもち、面を伏せ、何かに耐えるように床を見つめている。
「あれあれ、コレじゃ顔が良く見えませんよねぇ。ほら皆様に良くお見せして」
清がその黒く艶やかな前髪を鷲掴みにすると顔を無理矢理上げさせた。
「…………っ」
首を振って抗い、目を閉じる。
瞬間。
清は平手を放った。
そのまま凄い力で両膝を床に着かされる。手の鎖が乾いた音で鳴った。
清一色は真性のサディストだ。
「入札の皆様。今日はいささか勝手が違いまして申し訳がございません。例外的な入札になりますがよろしいでしょうか」
入札者である風俗店オーナー達が無言でうなずく。
「ご質問があればどうぞ」
「名前は? 」
ニィが間髪を入れずに訊いた。
「八戒です。なかなかうがった名でしょう」
清が楽しげに質問に答えた。当の八戒は放心状態といった様子で黙っている。
「なんだって売られてきたの」
悟浄が訊く。
「借金があるんですよ」
八戒の代わりに清が答える。
「大切なお姉さんのために、借金をしたそうですよ。500万。バカですよね」
初めて八戒の顔に表情が戻り、目を剥いた。
「花喃を侮辱しないでもらえますか!」
肩をすくめると、清が片手に持っていたリモコンのようなものを操作した。
途端に八戒の躰が跳ね上がった。艶めかしく眉根を寄せて耐えるような表情になる。
「ん……っ」
「これはこれは、清のやつ本当に良くやるぜ」
ニィが呆れたように呟いた。
「しょうのない人ですね。どんなに堪え性のない躰をしてるのか、買っていただく皆様にここでお見せしなさい」
清が合図をすると、店の壁を背に立っていた若い衆らが八戒を取り押さえた。
「何を……! 」
四方八方から手が伸び、着けていたジーンズを下半身からむしり取られる。
「ああっ……! 」
素裸に、首に黒革の首輪、手にチェーンという格好で床に転がされた。
「ほら、お見せしなさい」
清が座り込んでしまった八戒の脚を開いて奥を見せようとする。八戒が抵抗すると、手元のリモコンをさらに弄った。
「!!……ん!……ンッ! 」
艶のある黒髪を左右に振っていやいやをするが、白い肌は上気して、どうみても八戒の躰は快楽に侵食されつつあった。
清は息を乱しつつある八戒の背後に座ると、まるで母親が子供に排泄行為でもさせるかのように脚をかかえ、後ろから割り広げた。
店内の照明の下、詰め掛けた入札者達の目の前に後孔までさらされる。
恥ずかしさに八戒が顔を背けた。
そこには。
遠隔操作型のローター。
「えぐいんじゃねぇの、なかなかやることが」
そう言った悟浄だが、言葉と裏腹に目は八戒に釘付けで逸らせない。
「あっあっ……もう……めて……」
ピンク色で可憐な花の蕾のような秘所。そこに淫らな器具が埋め込まれ卑猥に蠢いている。
「やめ……もう、やめ……ッ! 」
若魚のような綺麗な背筋をそらせ、仰け反って喘ぐ。割り広げられた下肢が艶めかしく震えている。おそらく八戒には薬も使われているのだろう。
「この通り感度は良好でございます」
清が自慢気に言った。
清のことだ。用意周到に、ヨヒンビン、亜硝酸アミル、またはもっと違法な薬剤を八戒に仕込んでおいたに違いない。
「気持ちイイんでしょう? 」
清一色の甘く囁くような声に、八戒は首を振った。
「認めなさい。こんな大勢の前で、こんなことされてココをこんなに涎をたらして……いけない人ですね……」
八戒の前は立ち上がり、張り詰め、その先端の鈴口からは先走りの液をこぼしていた。
眦に涙が滲み、頬を伝って落ちてゆく。
清は八戒の後孔に挿入されているローターを指で弾いた。途端に、八戒が息を詰め身をよじる。くねらす腰の蠢きが実に卑猥だ。拘束された手首の鎖が鳴った。
「やりすぎなんじゃねぇのか」
三蔵が思わず呟くように、清に言った。
「ご心配ですね」
清は喉で楽しげに笑った。
「ワタクシお客様より先に頂くような無粋な真似は致しません。「調教」のしがいがなくなるなどと、ご心配には及びませんよ。こちらは純然たる「初物」でございますよ。「初物」を召し上がると古来より寿命が延びると申します。入札後、是非おためし下さい。」
事前に直接抱くような無粋な真似はしてないと言いたいのだろう。
清が喋るその間も、ローターは回転数を上げて回る。
浅く息を吐きながらも八戒はたまらず身をくねらす。拘束された手首の鎖が耳障りに鳴る。とはいえ、そんな動きで紛らわせられるような生易しい快感ではない。
「やっぱり気持ちイイんでしょう? 」
八戒が首を振る。
「認めなさい。強情な人ですね」
「ああっ……! 」
清が軽く八戒の胸の小さな突起を指で撫でた。八戒がびくびくと躰を痙攣させる。あわせて淫らな器具を咥えさせられている後孔が、ピンク色の粘膜をひくつかせて締まった。
なおも八戒の胸を飾る薄紅色の突起に顔を近づけ、清はそこを舌で丸く円を描くように舐めまわした。ふっくりと立ち上がってきたソレを舌で弾く。
いやいやをするかのように滅茶苦茶に首を振る八戒だが、耐えられるのはそこまでだった。
飲みこんだ器具に粘膜が絡みつき痙攣する。八戒の態度とは裏腹にそこは淫らな玩具を放したくないとばかりに締め付けた。躰が精神を裏切り淫らに蕩ける。
責め苦に耐え切れず、張り詰めて透明な涙を流している八戒の前に清が軽く触れた。
全てを快楽に変換させられるほどに焦らされ、その上薬まで使われ、もうどうしようもない。
八戒は身を前に折って快楽に耐えていたが、身も世も無くなり、衆人環視の状況だというのに、腰を突き出す恥ずかしい格好で脳を白く焼く快感に抵抗しきれず流された。
もうここがどこなのか、自分が誰なのかもなにもかもどうでもいい。自分がどんな淫らな格好で、不特定多数の男達の視線にさらされ、視姦されているのかもどうでもいい。
「あ……んっ……もう……イクッ……あ、あ、あ、ッ……! 」
快感が、もう、ただただ淫らな快感が白く脳を焼いた。性的な快美感だけが自分というものを失ってしまった八戒を慰めている。
端麗な顔を歪めて、瞳を潤ませ、躰をわななかせて、性の窮みへ達した。
八戒が本当に逐情する声を聞いて、すれっからしの風俗店オーナー達の食指が動いたのが居合わせた悟浄にはよく分かった。
床に白濁した半透明な液体が飛び散る。
「ああ、汚してしまいましたね」
清に言われて、八戒は達した後の虚ろな視線で床を眺めた。自分の垂れ流した淫らな液体は、自分が如何に淫蕩な人間かの証明のようだった。
八戒の綺麗な顔は、自分の流した涙と、涎とでぐしゃぐしゃに汚れている。
「こんな大勢の皆さんの前で」
清の声が八戒の耳に突き刺さる。一度達した躰は冷静さを取り戻し、醒めるかと思った。
しかしそれは甘かった。そんな堪え性のある聞き分けのある躰ではなかったようだ。既に快楽に流されきった躰は自意識を置き去りにして、際限なく腰奥が熱を帯びて疼き始めていた。
自意識を粉々に砕かれ、無意識に封印していた淫蕩さを剥き出しにされ、しかももう、八戒に逃げ場はなかった。
「お行儀の悪い。自分で綺麗にしなさい」
清が嘲るように言った。
のろのろとした動作で八戒が手で拭おうとする。
「そんなんじゃ、綺麗になんてならないでしょう? 」
そう言うと、清は八戒の頭を精液の飛び散った床に押し付けた。
「舐めて綺麗にしなさい」
「!」
八戒が首を背けると、清は足で八戒の頭を踏みつけた。
「早くなさい。」
八戒が涙をこぼしながら床に舌を這わせる。飛び散った自分の淫らな液体を舐め啜った。
八戒の秀麗な顔が、涙と涎と自分の精液で汚れる。
美しい綺麗な八戒が残酷で淫らな仕打ちを受けている。そこには倒錯的な美があった。
「さて、ご紹介が終わりましたので」
清が言った。すでに場の空気は八戒の濃厚な色香に当てられた男達で収拾がつかないくらい狂暴な熱を帯びていた。
「入札を開始させていただきます」
了