Winter, again 

「…ンっ、さわ、ちゃ…」

 白いシーツの海で短い黒髪が揺れる。
汗で濡れた前髪を金髪の彼が優しく指でなぞれば、愛だと勘違いしてしまう。
僕は…僕たちは誰にも言えない恋をした。
仲間にも言えない、恋
その恋に、何度咽び泣いたのだろう。

 貴方は、僕を狂わす。
美しく、優しく、僕は、貴方を愛すれば愛すほど、悲しくなる。

「はぁ、もぅ…やだ」
「なんだ。気持ち良くねぇか?」

…抱かれたいから、何もかもを許した。
貴方に求められれば、拒めないと分かっていた。

「き、もちぃ…からっ、早くッ…三蔵の、いれ、て…!」
「はぁ…お前、いつもより、キツイ」

 互いの舌を絡ませ合い、視線を絡ませ合う。
口づけの後に遠くを見つめる僕に、貴方は気づいたのであろう。
それでも、熱い肌と肌を重ね合わせた。
僕は…貴方の背中に爪痕を残す事すら、赦されない。

「やぁ、あッ…もっ、と…奥ッ…」
「奥が好きか?」

 窓の外には、白い雪が積もり僕たちを覆うまで。
明日は、きっと…ない。
答えなき問に永遠の終わりを知る。

「…好きっ、好き…ッ!」

 与える愛に与えられる愛
無償の愛と命を彼から貰った。
誰にも言えない恋ならば、このまま二人で溶けてしまいたい。
誰にも、気付かれないように。

 この恋に、何も望まない。






了